真由美のデジタル日記

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■2003.10.31
充実した一日だった。打ち合わせがひとつ、尋ね人あり。三連休を前に課題を完了させる。みんな一斉に回答を寄せてくれて、なんとか間に合った。来週も引き続き、展示会の前で忙しい。京の町家を貸し出している話を聞き、さっそく予約する。京都で泊まるのにホテルは味気ないと思っていたので、食事も作れるという一軒家はすてきだ。錦小路で買い物をして、家で食べるなんてわくわくする。11月の予定表がどんどん埋まっていく。マトリックスの招待券を引き換えるのにファミリーマートを探していたら、麻布十番にあった。ただし、発券できるのは10時から23時までである。

■2003.10.30
快晴。早朝麻布十番から歩くのは気持ちがよい。気分を集中させ、週末までの仕事をほぼ完成させる。また次の仕事が待っているから、できることから始めないと終わらない。三連休は慌ただしく京都に出かけることになった。ホテルが今の時期、絶望的にどこも満室な中、ようやく一泊だけ予約できた。向こうでは友だちと会ったり、いつもの店で食事するつもりだ。独りが好きで、ひたすらのんびりしたいのに、旅は別だ。あの非日常への変化がわくわくする。京都は季節が変わるたびに訪れたいと思っている。帰りにそごうに寄って買い物をする。新鮮なイカが手に入ったので、イカそうめんを作った。日本酒に合うメニューだ。

■2003.10.29
締切が近づいているので、仕事に専念する。午後トレーニングがひとつ。夕方、丸の内まで航空券を取りに出かける。日比谷なのでビックカメラに寄ったが、欲しいものがないのだ。代わりに新潟の日本酒を買って帰る。図書館へ出かけ、【からだ = 魂のドラマ　林　竹二】、【古代近江の原風景　松浦　俊和】、【憲法を考える5　衆議院憲法調査会議録】、【湖魚と近江のくらし　滋賀県の食事文化研究会編】、【デューイ = ミード著作集12　経験としての芸術】を借りてくる。新刊を次々に読んでいると、出会いがある。安田侃さんとも、それで話を交わすことができた。夜、佐渡関係の友だちから電話を貰う。

■2003.10.28
朝から雨。こういう日は会いたい人がみな事務所にいる。飛び込みの仕事もあるが今日できることは全部済ませて、夕方、祖師谷まで出かける。小田急沿線の各駅は毎月変わっている。増幅するのか、進化するのかわからないが、ホームが繋がったり、閉ざされたりとめまぐるしい。帰りの東京発の電車が遅れていたのですごい混み方だった。ラッシュの対処を忘れていた。おかげで本がよく読める。夕食に豆乳スープにクレソンをたっぷり入れていただく。新しい天ぷら鍋を手に入れたので、まながつおの料理を作る。今年の秋は果物が豊富にあるが、佐渡の林檎はもう残り少なくなって来た。

■2003.10.27
月曜日は物事の始まり。今週も予定がたくさん入っているが、仕事に埋もれていてはだめだ。今週末、京都に出かけることにして運良くホテルが予約できた。飛行機はお昼の便が空いているだけ。さすが三連休である。毎年、京都に出かけているが今年の紅葉はどうだろうか。午後にトレーニングがひとつ、打ち合わせがあって、今週締切の課題がめじろ押しだ。忙しくても愉しみがあれば、幸いである。映画評論の話は自分が見たことのある作品になったら、俄然面白くなった。60年後半から、70年代までは、音楽も聴いたが、試写会によく出かけた。時間だけはたっぷりあったから、それはそれで贅沢な一日を過ごしたのだと思う。今は休日に寝て過ごす代わりに歌舞伎に行く。非日常が、常態になりつつあるようだ。

■2003.10.26
台風がそれて快晴になる。日曜日の朝、アールグレーの紅茶を入れて、美味しいチーズとパンをいただく。それからゆっくりと新聞を眺める幸せ。来週から11月なので衣類の整理を始めた。冬物のコートも虫干しする。お昼に四ッ谷まで出かけ、能舞台の調査結果を知らせた。私と同じ調査を十年以上前に完了させたのに、行政はなにもしていないという話を聞く。目標と戦略を立てなければ、何も進まないだろう。帰って来て、夕方、明るいうちに部屋の掃除を完了させる。タオルケットも乾いてお日さまの匂いがした。冬が来るのもまた楽しい。

■2003.10.25
朝、館山に向かう。君津のお豆腐屋に寄り、鴨川経由でみんなみの里で野菜を購入する。南房総の景色は佐渡に似ている。北条海岸には潜水艇が二機も停まっていた。知り合いの家で魚をたくさんいただく。昔住んでいた家の近くにパッケージ工場のようなものがあって、入ってみると包装用品と事務用品の店だった。京都でも紙屋さんを必ず訪れるので、館山で見つけた店も楽しんだ。25日のせいかあちこちで売出しをしていた。生活用品の買い物も海辺の町は優しい。駐車場渋滞や、レジの順番待ちがないから気持ちよく買い物ができる。いつもの店で昼食を取り、挨拶を交わす。三芳村では採りたての蜜柑を購入。秋は日暮れが早い。

■2003.10.24
気になっていた人とようやく連絡が取れた。さっそくファックスを送る。午後はトレーニングが二つと打ち合わせがひとつ。新しい仕事が始まりそうで忙しい。充実した一日だった。通勤のお供に読んでいる本が映画批評なので、昔、大島渚の白黒映画を見に出かけたことを思い出す。あの頃はまだ芝居の面白さが分からなかったのだ。品川からほとんど眠って過ごす。週末なので、夜コーヒーを入れたが、そのせいかなかなか眠れない。

■2003.10.23
朝から溜まった仕事を片付ける。メイルもたくさん届いていた。午後にトレーニングがひとつ。電車の時刻が変わったのか、いつもの接続電車に乗れない。海を眺めながら暮らしているのと都会で部屋に閉じこもって暮らすのとは雲泥の差だ。夕方から雨も降り出した。品川までバスに乗り、電車に飛び乗る。そごうで食材を求め、鯵の刺身、タコの刺身と魚料理なので、佐渡の大吟上の生酒を封切る。これが甘くて美味しい。上等なお酒があると、ゆったりとして、それだけで幸せな気分になるから不思議だ。リンゴも届いたので、果物が溢れている。本当の豊かさとはなにか、最近考えることが多い。

■2003.10.22
朝のうち晴れていたのが、急にぱらぱらと降り出す。佐和田の町で朝から虹を見た。能舞台の調査で欠けているところがあってはならないので、妙宣寺に出かける。ここの住職に尋ねると能舞台はないそうだ。ここの境内は広く、整備されていて、五重塔が有名だ。後から観光バスが何台も列ねて来ていた。佐渡で人ごみに会いたくないから、世尊寺、国分寺と寺めぐりする。朝一番の約束で本間先生のお宅を訪ね、畑野町、金井町の能楽師の情報を教わる。西三川まで足を伸ばして、新鮮なリンゴと葡萄を購入、リンゴは箱詰めして千葉に送った。それから佐和田まで戻り、先日、貴重な資料を預かったお宅にご挨拶に向かう。昼食後、両津で熱串彦神社の宮司宅にお邪魔し、一度無くしてしまった能を再度復活させるのは大変なことだという話をうかがう。両尾の宮司とはお会いできなかったが、主だったところには行けたので早めに帰ることにした。

■2003.10.21
いつもより一時間余裕があるので、留守中の食事の支度を済ませ、佐渡に向かう。新潟駅から新潟港まではバスもあるのだが、最適なダイヤがない。佐渡は穏やかに晴れて暖かだ。両津で出迎えの車に乗り、牛尾神社の宮司宅、潟端の能楽師のお宅にお邪魔し、前回撮影した写真を届ける。ここでも貴重な情報をもらい、大正時代に作られた神社誌が平成に改定されたと知る。編集の担当だった佐和田にある若一王子神社に訪ねていくと、その本はすでに完売していて、他県からも問い合わせがあるという。佐和田の図書館にも寄贈したと教わり、内容を見せていただく。二ケ所の神社は該当するので、コピーを取ってもらった。夕方、二宮神社に向かう。ここで6時から奉納能があり、知人が舞うことになっている。久しく能は行なわれていなかったので、氏子総代も宮司も様子が分からずに、現場の椅子の手配などできることを手伝う。夜、暗くなると大勢人が集まり、二宮でも薪能ができるのだと驚いていた。最初に佐渡高校の生徒による仕舞いがあり、そのあと、大人の仕舞い、そして能が一曲猩々（しょうじょう）である。途中、甘酒やお煎餅が配られてのどかな薪能を楽しむ。

■2003.10.20
午後にトレーニングがひとつ、今週締切の課題をなんと完成させた。夜は渋谷の会合に出る。佐渡の能舞台の報告をすると、みんなが励ましてくれた。ここでの仲間は刺激的で会うと必ず元気を貰ってくる。会社のしがらみや組織の不備がなく、アーティストたちの会話は気持ちがよい。もっと長く過ごしていたかったが、明日の準備が残っているので一次会で失礼する。戻ってから、久しぶりに家で仕事をする。これまで調査をまとめ、報告書を揃えた。

■2003.10.19
朝、木更津、高倉まで食材を買いに出かけ、午後、津田沼で高校時代の音楽の先生の独唱会に出席する。先生は大病されたということで、一年前に較べて痛々しかったが、心にしみる歌を何曲も聴かせてくれた。20回記念の今回をもって終了すると聞いて、残念に思う。同級生たちが13名も集まっていたのでミニ同窓会の気分だ。珍しい顔ぶればかりなので、空いている喫茶店を探して、ゆっくりとおしゃべりする。日頃、会社の女性たちとは情報交換しているが、同じ年の仲間の思いはどこか似ている。人生の中間地点に立った今、自分が本当は何がしたいのか、思い惑うことは多い。心が満たされて帰ってくる。

■2003.10.18
早起きして銀座まで歌舞伎鑑賞に出かける。盟三五大切の菊五郎の三五郎は以前、三宅坂でも見たことがあるが、今回は凄みが出ていてよかった。普通の江戸の庶民が陥る罠が見事に描かれている。芝居という虚構の世界なのに、きっとあんな人が江戸にはいたのだろうという気にさせるから見事だ。帰り道、キムラヤでバゲットを買い、有楽町まで出て、記念品を購入する。ビックカメラの二階にお酒売り場ができていて驚いた。ここで紹興酒を購入する。料理用に横浜中華街で求めたものが終わってしまい、どうしようかと迷っていたが、横浜の仇を江戸で打つという感じだ。銀座は歩いて楽しい町だ。大人が多いのもうれしい。帰りは京葉線でのんびりと戻って来た。

■2003.10.17
今週締切の仕事を抱えて、京都の秋を思う。今からではホテルは取れないから、12月初めに出かけることにした。マイレージがたくさんあるので、今回はJALを予約した。毎年、今頃は京都に出かけているが、紅葉はどんどん遅くなっている気がする。能舞台関連で驚くほど知合いが増えた。神戸の方と東京で会う約束をする。今年はたくさんの出会いが会って、それもひとつひとつが自分の予め決められた運命のようにぴたりと当てはまっている。

■2003.10.16
密かやに冬が近づいている。朝、目覚めたときまだ暗い。夏の頃は日陰を探して歩いていたのが、今は日溜まりが心地よい。締切の仕事がようやく終わり、あと一日だ。忙しいとwebを見る時間もない。仕事は楽しいがそれだけでは人生はつまらない。大人の愉しみをたくさん見つけた人はすてきだ。寒い夜は猫二匹を捕まえて猫暖房にする。週末まであと少し。

■2003.10.15
朝一番に知合いが来て、長いこと話し込んでいく。人は普通に暮らしていると不安に蝕まれるものらしい。日常と非日常の境が曖昧な人は、危なげのように見えてしなやかだ。午後、会議のため、八芳園まで出かける。帰り道、三光坂下までゆっくりと下って、途中のケーキ屋さんでジャージィ・シュークリームを暢達する。週末までに完成させなければいけない課題について、再度打ち合わせする。4時半ごろ、かなり大きな地震があって、帰りは東京経由に決めた。広尾まで出て、ナショナルマーケットでチーズとべーグルパンを購入する。坂道を下っていくと毎朝出会う女子高生が登ってくるのと擦れ違った。いつもと逆で面白い。地震のため、電車は大幅に乱れていて、ようやく家にたどり着く。さっそくチーズとパンを開けて宴会をした。

■2003.10.14
休み明けの火曜日、早起きして都心に向かう。朝のうちは曇り空だったのに、昼過ぎから雨が降り出した。休み中に溜まったメイルを読み、返事を書き、いちばん急ぎの仕事から手をつける。静かな一日で、効率が上がった。やはり、たくさんお休みすると何もかもが新鮮だ。昼休みにお弁当仲間が集まり、たわいもない話をして過ごす。枝元ほなみさんのレシピに従い、ボウルに小麦粉大さじ3、ワイン大さじ2、塩小さじ1/3、胡椒少々を入れ、一口サイズに切った鶏肉を混ぜ合わせ、ボールの上の方にパン粉を置いてそれをまぶしながら、油であげる。ボウルひとつで作る一口カツは本当に簡単で風味がある。夜、佐渡の神社誌を読んで必要な箇所をさらに調べた。日本の歴史の復習のような気がして来た。

■2003.10.13
昨日、遅くまで起きていたのに六時過ぎに目覚める。佐渡のリンゴは美味しいので食後の水菓子にぴったりだ。新聞を読み、文献を調べ、一日家に籠って過ごす。お昼にカツ丼を作り、夜はヒラメの煮物とブリの醤油つけをいただく。午後、少し眠った。雷が鳴り、雨が激しく降って、開けておいた窓から浸水していた。おかげで網戸がきれいになる。佐渡の神社誌を読んでいたら、神道の基礎知識まで学ぶことになった。明治から大正、昭和にかけて日本の農村の歴史というのは余り取り上げられていないが、村がどう変貌していったかを考えるとなかなか興味深い。学校で習う歴史は工業化や都市の発達だが、それだけでは十分に語られていないことがある。

■2003.10.12
朝から激しい雨。ずっと晴天が続いていたから気持ちがよい。昨日から喉が痛いと思っていたら、風邪を引いたようだ。預かった資料を読みはじめる。全体が少しづつ解きあかされていくようだ。明治から大正にかけての資料なのでときどき難しい旧字が出てくる。われわれがこれを読める限界だろうか。疲れたので、午後、午睡を取る。目覚めたときまだ明るかった。夕暮れは早い。夜、秋刀魚を焼き、麻婆豆腐を作った。秋刀魚は余ったものを山椒煮にする。溜まった新聞を読み始めたが、ずいぶんと時間がかかる。情報は多すぎると頭が受け付けない。佐渡にいる頃の情報量がいちばんよい。

■2003.10.11
休みなのに六時に目覚めた。九時過ぎに図書館に出かけ、【ディレギュレーション時代の公的金融　西垣　鴨人】、【映画評論の時代　佐藤　忠男・岸川　真】、【ラドヤード・キプリング　橋本　槇矩】、【生活予報2003 　非同期　博報堂生活総合研究所】、【公共政策への招待　新藤　榮一】を借りてくる。高倉、君津まで買い物に出かける。新鮮な野菜をたくさん求めた。午後、市川まで出かけ、預かった資料を専門家に託す。こういうとき、同期生は頼もしい。夜、野菜料理を作っていたら、遅くまでかかってしまった。

■2003.10.10
時間に余裕があるので、二日前に回れなかった加茂神社の由来を聞くために再度立ち寄ることにした。真野町にある逸見酒造にもお邪魔する。加茂神社の話を聞くのに本間先生が最適だとうかがい、自宅を訪ねる。明治時代に建てられた農家を改築したという家は見事だった。骨董品や本に囲まれて空間にゆとりがあり、ゆったりとする。いつまでもお邪魔していたかったが、時間も限られているので失礼した。佐渡には雅びな人が多く住んでいるようだ。山田の白山神社の元宮司からは貴重な資料を預かった。初めて会ったものに託すなんて、信頼されているのだろうが驚く。昔の日本人というのは旅の者を暖かくもてなし、湯茶を与え、ときには宿まで提供したのだ。夜、特急に乗って戻ってくる。

■2003.10.9
今日も快晴。一日、山の中の能舞台から撮影を始める。途中、果物の直売所があったので、新鮮なリンゴを各種求めた。草刈神社では、もう三回目なので顔見知りになっていて、特に雨戸を開けて撮影してもよいということになった。ここの能舞台は茅葺き屋根で優美だ。すばらしい景色を堪能する。こんな能舞台が年一回しか使われていないのはもったいない気がした。カメラマンが撮影している間に近所を尋ね、宮司や氏子総代の住まいを訪ねる。佐渡の人々は優しく、稀人をもてなしてくれた。明日は7箇所を残すだけである。

■2003.10.8
6時32分発の久里浜行きに乗り、東京駅まで向かう。時間がたっぷりあるので、名店街で鶴谷八幡の菓子を求めた。12時に両津に着き、出迎えのタクシーに乗る。13時の約束なので、途中、一ケ所寄って、現地入りする。能舞台の写真を取るのだが、柵を外したり、雨戸を動かしたりと忙しい。天気は快晴、気持ちがよい。佐和田の旅館に戻る前に何箇所か寄って、写真を取る。佐渡はどこも海が見えて美しい。六時前にチェックインして、まず温泉で疲れを癒す。夜、地図と資料を眺めながら、明日の作戦を練る。

■2003.10.7
午前中に会議と打ち合わせがひとつづつ、その後、定年退職する元上司を囲んでお食事会を開く。恵比寿三丁目まで遠出していただくフレンチシェトモは野菜たっぷりで身体に優しい。帰りは歩いて会社まで戻る。15分くらいだった。夜、八重洲ブックセンターで頼んであった佐渡の地図を受け取る。佐渡には1枚にまとまった地図がないのだ。5万分の1と二万五千分の1の地図をあるだけ揃える。千葉で降りてそごうで食材を購入。七時過ぎていると、魚はほとんど残っていない。しゃぶしゃぶ用の肉を求める。佐渡に行く準備をしていたら、12時を回っていた。

■2003.10.6
月曜日のレポートをまとめ、夜、イームズの短編映画観賞会に向かう。知り合いの編集者と打ち合わせをしながら待つ。レイとチャールズのデザインスタジオは居心地よくまとめられていて、芸術家の住まいである。あんな事務所を持ちたいと素直に感激した。Powers of ten は亜流もできていて、斬新なアイデアだったと思う。上映後、簡単なパーティがあって、ワインと缶ビール、ひれカツサンド、お団子、ブドウ、イカ脚などが並べられ、その取り合わせが楽しい。満たされて帰ってくる。

■2003.10.5
六時過ぎに目が醒め、温泉に浸かる。佐渡の旅はこういう贅沢がいい。八時に迎えの車が来て、昨日回りきれなかった箇所に向かう。ちょうど稲刈りとおけさ柿の収穫のシーズンで、農家の人々が田圃や畑に出ていた。道を尋ねながら、能舞台を探す。お昼は地魚料理をいただき、午後も残りの場所を探す。民俗学のフィールドワークのような気分になって来た。梅棹忠夫のわたしの履歴書を読んでいたので、余計にそう思うのかもしれない。運良く時間より早くおわり、帰りの時間を変更してジェットフォイルに乗り込む。新潟駅ではMaxときの二階に坐った。すぐに暮れていく町並みを眺めながら、旅をしているのだという気分になる。佐渡は館山や鴨川に似ているので、遠くに来たような気がしない。

■2003.10.4
早起きして佐渡に向かう。佐渡博物館の館長たちと打ち合わせをして資料をいただき、現地に向かう。前回、お世話になったタクシーの運転手の方が今回も面倒を見てくれることになってうれしい。ホテルを海が見える旅館にした。お天気がよいので、どこから見ても海景色がすばらしい。佐渡の現存する能舞台について調査する。始めに予想したよりも大掛かりな仕事になりそうだ。夜、温泉に浸かり、疲れを癒す。いただいた資料に目を通し、作戦を練る。

■2003.10.3
週末までの課題をいくつか完成させ、仕事を終える。夜、二年ぶりくらいで仲間が集まる。この人たちとは親戚付き合いしているような家族的な親密さがある。仕事のこと、近況報告、新しいポケットPCの自慢大会など話は尽きない。新しいカクテルに挑戦して、アメリカ料理を楽しみ、また会いましょうねと約束して別れる。少人数だったのでみんなで話ができてよかった。相談できる人がいると、安心できて、元気を貰うような気がする。品川でのオフ会は快適だ。ゆっくりと坐って帰って来た。

■2003.10.2
会社に行くと仕事が溜まっていた。一日、忙しく過ごす。明日も引き続き忙しいらしい。週末の予約を完了させる。この間お世話になったタクシーの方を予約することができた。このところ、予定がびっしり詰まっていて、忙しいが充実している。東京で働いているからできる贅沢というのもあり、また、地方だからできる優雅さもある。道楽というのは男の甲斐性といわれていたが、女にも道楽があっていいのではないか。オフの自分があるから、真面目に仕事に励むことができるのだ。帰りにそごうで食材を調達する。

■2003.10.1
今日はオフの日。朝から新宿までゴッホと花の展覧会に出かける。42階からの眺めは格別だ。ルノアールやセザンヌ�ブラマンク、マティスたちが描いた花の絵も同時に飾られているのだが、花の質感だけ見ていて、作者が類推できるから不思議だ。その後、上野まで足を伸ばして国立博物館で「アレクサンドロス大王と東西文明の交流展」を見る。国立博物館には新たに平成館ができていて、縄文時代から明治まで歴史の勉強をしてきた。安土、桃山時代の能衣装もあって、興味を引く。歌川広重の江戸の図は柔らかい美がある。文化の香り高い一日だった。

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