真由美のデジタル日記

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■1998.10.31

お天気がいいので、猫二匹を洗った。キングクリムゾンの宮殿を二曲目からかけて、猫を洗うと、おとなしく湯舟に浸かっている。お風呂は気持ちがよいらしく、あばれないで静かにしていたので、今回は余裕のうちに終わった。この猫たちは家の中で飼っていて、外には一歩も出たことがないのだが、最近、よその子猫が物置きに住み着いて、朝になると縁側にあがってくつろいでいる。うちの猫たちはガラス越しにその猫を見つめているだけだが、どんな思いがあるのだろうか。自由だが、命の保証のない暮らしと、毎日寝ているだけで食事がもらえるが、好きなところに出かけられない家猫と、どちらが充実した猫生なのか。この子猫、別ののら猫に追い掛けられて逃げ回り、梅の木に登るのを目撃した。これで庭の植木鉢が倒れる訳だと納得する。それにしても、猫を相手にする休日は、おだやかでのんびりした一日だった。

■1998.10.30

もうすぐ十月もおしまい。まだ家の中には夏の用品があちこちに散らばっている。暑い日が続いたり、晴れた日は汗ばむほどの日射しがあるから、寒さがやってくるという意識が希薄だ。半袖Tシャツを着て、一年中過ごせるアメリカの暮らしに憧れる。日本で季節を感じるのは、芹や蕗のとうなど期間限定のやさいを口にするときくらいだろうか。庭になっている柿の実を眺めながら、四十雀がよく訪れるのに感心する。鳥はどうやって、季節を知るのだろう。

■1998.10.29

10/10 体育の日の振替休日で家にいた。ようやくFireworksをダウンロードして一日遊んでいた。Photoshopのマクロメディア版。ダウンロードは10/30 をもって終了する。30日間限定で無償で使えるので、ちょっと遊ぶには手頃なソフトだ。さっそく表紙のタイトルを何通りも作ってみる。こういうのは嫌いじゃないから、あっというまに時間がたって、気が付くと夕方になっていた。

■1998.10.28

午後会議があったので、午前中はその資料づくり。ダウンロードしたいソフトがあるのだが、その時間がない。世の中がどんどん新しくなっているというのに、昔ながらの手間のかかる仕事を頼んでくる人がいる。ちょっと工夫して、フォントにMSxxxを使わなければ、PDFもWebも、問題なくできるのに、次行程など関係なく、自分の知っていることしかやらない。エンジニアにも世代があって、こういう人はたぶん第二世代。いまは、第四世代のエンジニアがストレスなくHTMLを直に書き、jpegやgifファイルをメイルに添付している。一所懸命仕事をする人は、助けてやりたいと思うし、新しいことに挑戦して、知識を獲得するのは好きな方だが、時間ばかり浪費させて、実りのない仕事はしたくない。車の運転よりもHTMLが書ける方が素敵だ。

■1998.10.27

両国の江戸東京博物館で開催されている【歌舞伎フォーラム】に出かける。今年のゲストは中村芝翫さんで、この方も六代目菊五郎の薫陶を受けている。さすが人間国宝とよばれるだけあって、話し方にも格調とリズムがあり、一時間半の講演があっという間に感じられた。歌舞伎のよさがわかったのは、ロンドンから帰ってきてからである。日本人であることを意識させられて、日本の古典を見直そうという気持ちになった。歌舞伎の楽しさは、江戸時代に狂言作家と言われる方々が、徳川幕府の規制の網をくぐって、実際にあった出来事を、時代背景、名前の変更など加えながら、リアルタイムで庶民に提供してきたところだ。荒唐無稽といわれるあらすじも、お上の目を誤摩化すための設定ゆえ。そのあたりを納得してみると、本当に厭きない。何百年たっても、いいものはいい。頑固に70年代のロックを聴いているのも、基本は同じだと思う。帰りに秋葉原にいって、モデムやバッテリーを買ってきた。平日の電気街はさすがに空いていて、人とぶつかることもない。夜、Netscape を 4.5 にバージョンアップする。

■1998.10.26

明日が休みなので、月曜日から気分がいい。帰ってきてから、レコードを聴いて、手紙を書いて、探し物をしてもまだ時間がたっぷりある。これも限定された休息なので愉しい。ずっと家にいることになったら、退屈のあまり死んでしまうだろう。締切りがあるから原稿が書けるし、約束があるから仕事もできる。たまにしか会うことのできない恋人たちは濃密な時間を過ごせるような気がする。何も所有しないということは、すべてを所有したことになるのだ。そういいながら、CDを買いつづけるわたしは、マニアックな人と家族に言われている。

■1998.10.25

土曜日に雨を承知で、週末を過ごすために館山に出かける。天気予報はあてにしていなかったが、朝起きたとき、まぶしい太陽をみて嬉しくなる。晴れていると海の青さが違うのだ。シーツを乾かしながら、次の旅行の計画を練っている。昨日は雨のせいで、たくさん本が読めた。ここには、電話も、新聞も、テレビもないから、時間がゆったりと流れる。こういうのを命の洗濯というのだろうか。早めにでて、海まわりで帰ってきた。野菜と花をかって、新鮮な空気を胸一杯すって、月曜日からの仕事に備えよう。

■1998.10.24

昨日、渋谷で知り合いのライブを見てきた。渋谷ではなく、表参道でおりて道を歩いた。北青山から神宮前5丁目、6丁目と歩いているうちに、ふしぎな町に紛れ込む。都内で、少し先に明治通りがあるのに、下町の商店街が突然出現して、トリップしてしまう。ライブはおとなが十分に楽しめるものだった。ボーカルの声がいい、ギターもベースも、ドラムもよかった。Freeというバンドのもつ雰囲気をうまく出していたと思う。ふと、モーツアルトの時代、若者はどんな過激な音楽に走っていたのだろうかと考えてしまった。音楽が自己表現のひとつであるのは、かなり昔からのことだと思う。

■1998.10.23

池袋で開かれているSEYBOLD Tokyo '98 でmacromediaのセミナを受けてきた。Webをデザインするツールとして、FreehandとFireworksがあるが、これはアドビのイラストレータとフォトショップを意識して作られている。プロ向けの製品らしく、発注元のわがままな変更に十分対応できるようになっているのがおかしい。デザインの基本はその人が絵心をもっているかで、決まってしまう。濁った心には澄んだ絵は写らない。

■1998.10.22

長らく頭を占めていた問題が1つ解決して、ほっとしている。この数カ月間、結構辛い日々もあったが、今となっては何でもないように思えるから、不思議だ。Webをいじっていて、ふと、頭が真空になることがある。自分がその前後に何をしていたのか、意識を失ってしまう。うまくいくこともあるが、せっかく作った構図をだいなしにすることもあって、その間はまるでレーシング・ドライバがヘアピンカープを回るときのように緊張する。その瞬間、重力と時間が加速するのだ。この緊張が続くと、音楽でこころをなごませるしかない。明日は、セミナとコンサートがある｡

■1998.10.21

建築家の宮脇檀さんが死去というニュースを見て、悲しむ。《父たちよ、家にかえれ》は、子育てと文化を経験的に語っていて、旅行のときはいつも持参していた。まだ62歳、若すぎる。ラジオで桜が咲いた例が全国で観測されたというが、世紀末には、ほうき星や疫病がはやって、人々のこころは落ち着かなかったらしい。最近の現象も、そのせいだろうか。10月に紅葉と桜がいっしょに見られるなんて、花札の世界だ。

■1998.10.20

長いことこころに掛かっていたことが解決して、ほっとしている。未完のまま放りだしてあった音楽修行もYESの日本公演を見たおかげで、なんとか完結できた。Web友だちのパレットさん、mihonopさん、ありがとうございます。これからも音楽修行は続けるつもりだ。たぶん中級でずっと立ち止まることになると思う。音楽を聴き始めると、本が読めない。なかなかうまくいかないものだが、自由になる時間を大切に使おう。朝の30分も貴重な時間だから、手紙を書いたりして過ごしている。一日の始まりが楽しいと、その愉しさが持続するような気がする。

■1998.10.19

月曜日から嬉しい便りが届く。来月、ラスベガスに行くことになっているので、インターネット接続ができるか、あちこち調べてみた。ローミング・サービスが月額500円の追加料金で受けられることがわかって安心する。ラスベガスにはアクセス・ポイントが9箇所もあるから、なんとか接続できると思う。海外にPowerbookを持って行くのは初めての経験、どうなることか。でも、だれにでも、いちばん最初はあるわけだから、悩んでいては始まらない。新しいことに挑戦するのは好き、ひとり旅もできる、でも苦手なのが、お金の計算。あとのことを心配せずに好きなだけCDを買えたらと思う。

■1998.10.18

疲れていたのか、午睡をしたら三時間も眠ってしまった。Webのあちこちを手直しする。風が強いのをいいことにZEPを聴いていた。ZEP は今聴いても新しい。いつも時代の半歩前を目指していたから、決して色褪せることがないのだ。もちろん、その時代の特長をつかんだ曲も好き。音楽のある週末はいいものだ。手軽に音が出せるCDを毛嫌いして、売り場にも近づかなった昔がうそみたい。今でも心の奥底で、あの親指とひとさし指を広げてレコード盤をもち、針をのせて、息をころして聴くLPに憧れているところがある。あの頃は戻ってこないけれど、封印された記憶はあざやかな瑠璃色をしている。

■1998.10.17

水戸の少し先まで、蕎麦を食べに出かける。総勢12名で、日頃会えないようなWeb友だちと再会、初会する。白雪、せいろ、田舎そばと、3種を堪能した。鴨ねぎもよかった。三時間にわたる蕎麦会は、中身も充実していて、たくさんの発見と驚きがあった。初めて走る大洗海岸は、灰色で白波が立っていたが、那珂川が無事渡れてよかった。音楽を通じた付き合いが、こんなすてきな会合を生んで、ほんとうに嬉しい。

■1998.10.16

台風が来るというのに、ちょっと残って仕事をしていた。宿題がおわらないまま、週末を迎える。探し物をしていたら、高校時代に書いた小説が見つかった。機会があったら、Webで紹介したいと思う。エルトン・ジョンを聴く。Your Song は何度聴いてもすてきだ。

■1998.10.15

久しぶりにFREEを聴いている。Fire and Water と Heartbreaker。70年代の曲だから当り前のことだが、急に煙っているマーキーの舞台を思い出してしまった。イギリスのバンドは、個性的で頑固なところがあって、それが魅力だった。アーティストも内気な人がいたりして、生のステージでは、はにかむ姿が印象的だった。そんなことを一枚のCDが呼び起こしてくれる。ロンドンにいたとき、FREEのコンサートも見たような気がする。記憶は曖昧だが、あとでゆっくり調べてみよう。

■1998.10.14

猛烈な台風が来ているらしい。暴風雨範囲が800kmというから、日本列島をすっぽり覆ってしまうではないか。夜になったら、中心気圧が900から930hPaとなったが、まだまだ油断はできない。今年は台風の当たり年のようだ。週末の天気が気になる。

■1998.10.13

三宅坂の国立劇場まで歌舞伎の切符を買いに出かける。11月公演は伽羅千代萩(めいぼくせんだいはぎ)の通し狂言だ。中村鴈治郎が初めて演じる政岡が楽しみ。歌舞伎が難解だと思っている人は、まず、通し狂言をみて、全体の流れをつかむといいと思う。江戸時代の狂言作家たちは、揃って優秀だったから、実際に起きた事件を、規制の網をくぐり抜けて、歌舞伎狂言として仕立て上げた。今見ても、納得できる人間模様が面白い。ハードロックを聴くくらいに非日常的な空間があって、そこで過ごした一日は、すっかり憂さを忘れてしまう。　帰ってきて宿題の1つを片づける。昨日依頼したレンタカーの手配は完了したのとメイルをもらい、ほっとする。よい友だちをもったひとは、幸せである。

■1998.10.12

まだ宿題が終わっていない。会社とプライベートの両方とも。一日中英語の手紙ばかり読んでいたら、さすがに頭が痛くなった。すごく名文なのでこれをアーカイブして、何かの参考にしようと取ってあるが、そういう手紙にかぎって肝心なときに見つからない。要するに検索用のタグが付いていないので役に立たない。新しい言葉に出会うと、フランス語ではなんと言うのだろうか、イタリア語では?といろいろと思いを巡らし、語源を突き詰めたときなど嬉しくてひとりでにやにやしてしまう。でも英語の手紙を書くのは苦手、タイプミスはNSmailのスペル・チェックが見つけてくれるけれど、時制の一致などは望めない。アメリカにいる友だちにレンタカーの手配を頼んだが、無事届いただろうか。時差があるので、運がいいとこちらが眠っている間にすべてが完了していて、驚かされる。このWebの向こうにも今このとき、起きている人たちがいるのだと思うと、少し勇気が涌いてくる。

■1998.10.11

天気もよいし、大人三人で館山まで日帰りの旅をする。野菜と花を買って、お寿司をつまんで、食料を買って、まるで買い出し旅行だ。午後から有名観光地をカバーするために館山から千倉まで海沿いの道を走った。紺碧の海に波しぶきがあがる様子に歓声をあげ、潮風王国ではアジを一ケース買ってしまった。全部で40匹近くあるアジを近所に配ったり、塩焼きして食べたが、とても食べきれず、三枚におろして空揚げにする。残りは母がショウガで煮て、ようやく完了した。その間ずっとアメショが張り付いておねだりしていた。こういう新鮮な食材を見ると、料理屋を始めたいなあとしみじみ思う。材料が新鮮で品質が確かなら、多少腕は悪くても、そのものの持つ味が、料理を最高に演出してくれる。とりたての野菜でサラダを作り、噛みしめているとささやかな幸福を感じる。

■1998.10.10

切符がとれたので11月にラスベガスに行くことになった。目的は世界最大のコンピュータ・ショーCOMDEX'98 Fallを見に行くためである。今回で三回目、ラスベガスの町にも少し慣れたのであちこちのぞいてみたい。想像していたよりも安全な町だし、見どころもたくさんある。不思議なのは年々費用が安くなって行くこと。ホテルと飛行機の需要の問題なのだが、不景気になって企業からの出張が激減したのだろうか。貯まったマイレ－ジを使いたかったが、ツアーの方が割安なのでそれで行くことにした。もちろん自費、これも道楽のひとつなのだ。本場で本物を見ると、嘘と真がすぐにわかるようになる。日本の展示会にも年間で何回も出かけるが、文句なしにラスベガスCOMDEXは楽しい。Stonesのツアーのようだと言えば分かってもらえるだろうか。巨大なうさぎや銀色のイカが立っていたり、マリリンモンローのそっくりさんが歩いていて、ただ写真をいっしょにとるだけというような、奇想天外な仕掛けと、ハイテクの粋が集められていて、新しい発見の連続である。

■1998.10.9

YESのコンサートに行ってきた。車を停めて夜の渋谷を歩くのは、わくわくする。明るいし、若い人がたくさんいて、恋人になったら渋谷で過ごすのがいいなあと思う。公園通りから坂をのぼって渋谷公会堂に着く。ここに通ったのはもう20年くらい前になるのだろうか。会場は若い人と背広姿のビジネスパーソンの姿が目に付く。コンサートは70年代中心だったので楽しめた。19:00 - 21:23 まで休憩なしで熱演する。無理して出掛けてよかったと実感した。YESの日本公演も25年ぶりだったという。旧友と思いがけず再会したような気持ちだった。

■1998.10.8

いちばん欲しいものは夜の時間。あと二時間くらい余分にあったらいいのにと思う。毎日、少しづつ新しい内容を盛り込むようにしているが、時間が足りない。明日は金曜日なので、ちょっと起きていてもいいかなと油断してしまう。今頃になって、春先の旅行記をまとめ直している。やはり自分の言葉で書かないと読み直して楽しくない。人に見せるというよりは、自分の愉しみで作っているようなところがあるから、凝り始めると何時間もまたたく間に過ぎてしまう。猫にもずいぶん不義理をしているが、暖かい日に洗ってやらなければ・・・。明日はYESの公演があるが、眠ってしまったらどうしょう。

■1998.10.7

今日はメルパルクまでPhotoshopのセミナを受けに行く。5.0になって、機能が格段に進歩した。これひとつあれば、Webページなんか既成の素材集を使って、いくらでも鑑賞にたえるものを作れる気がする。ここまで具体的な説明は受けたことがなかったので、どんなとき何をしたら有効かがよくわかった。講師の方がポイントをつかんで説明してくれたので、各パートの関連がよく理解できた。道具が進歩して、それを使いこなす人間が努力しないといつまでも、先に進めない。三年くらい前まではDTP としてQuark が使いこなせれば一人前だった。いまはWebが始まったから、それにあった道具を見つけておく必要がある。しかし、こうなるとよけいに速いMacが欲しくなる。いま、Win NTとMacを使って仕事しているがMacの処理時間が短縮できれば、もっとたくさんのことができるはず。こういう考えだから仕事を抱え込むことになるのだろう。

■1998.10.6

売れっ子作家のように抱えていた仕事のひとつが終わってほっとしている。まだまだ息は抜けないが、気分的に大分楽になった。忙しいと他人のことを面倒見る余裕もなく、お茶やコーヒーを入れる時間も惜しくて、冷たくした水を飲んで元気を出していた。そんな昨日までの自分がちょっぴり懐かしい。それにしても、一週間の立つのが飛ぶように速い。いつもなら年末の予定を考えるところだが、今年はなぜか考えがまとまらない。世の中が浮かれてばかりいられない風潮があって、それに逆らってまで、豪遊するほどの情熱もないのだ。ぎりぎりまで決められず、あとでばたばたとしそう。これもうちの定番かしら。

■1998.10.5

今夜は中秋の名月なのに、あいにくの曇り空、雲の切れ目から溶けかかったソフトクリームみたいな月が見え隠れする。昔ほど季節の区切りをはっきりさせることがなくなってしまった。真冬でも温室産の西瓜や苺があるから、食べ物から季節感を感じることが少ない。秋が深まると、夜の時間を何をして過ごそうかと思い悩む。音楽を聴いたり、読書するのはやや平凡。交通公社刊の時刻表を買い求め、まだ行ったことのない観光地までの旅のプランを作るのが楽しい。さいわい、Webの検索も使えるから、どんどん情報を集めて、泊まる宿を決めて、一日のコースまで作り上げる。京都に行くにも、新幹線の他、夜行列車、バス、寝台車などいろいろと方法はあるのだ。これを始めると頭がパンクするまでのめり込んでしまうから、危険も多い。

■1998.10.4

久しぶりに晴天に恵まれた週末だった。埃をかぶっていたアガサ・クリスティの推理小説を読み直す。捕らわれた主人公のトミ－が、さるぐつわをかまされ、近くにいる仲間に助けを求めるとき、なんとsnore(to breathe during sleep with harsh sound; いびき)でS.O.S.を発信する。つまりdot, dot,dot,- dash, dash,dash, - dot,dot,dot,とモールス信号を送るのだ。 Snooooore, snore, snooooreと書いてあった。仲間は地下で豚を飼っていて、おかしな家だと思うが、その豚の鳴き声がみょうに長いので気付くのである。《M or N》; クリスティはこれを第二次世界対戦中に書いたといわれているが、同時に自分の死後に発表するようにと、《ミス・マープル最後の事件簿》《ポアロ最後の事件簿》も書き溜めていた。さすがにミステリーの女王と言われた人は違う。今では、古典になってしまったから、ここで英語の言い回しを覚えてもかなり古風な言い方に聞こえるらしい。

■1998.10.3

ZEPとパープルをかけながら、衣替えを速攻ですすめる。いちども着なかった洋服が多かったのは、夏が涼しかったせいだろうか。雨ばかり降っていたような気がする。あと茶箱を2つ出せば完了だ。うんざりするくらいの衣服に囲まれて、いつの間にかこんなに増えてしまったのかと呆れてしまう。仕事をしているからと買い物をしていた自分に反省、たぶん治らないと思うけれど、当分買い物はやめましょう。まだ、家族の分が残っている。ZEPのフルアルバム、聴いてしまうそうだ。夕方から海辺の町に出かけて休息するつもり。たっぷり寝て過ごすのが目的だ。

■1998.10.2

久しぶりの青空がまぶしい。気温も30度を越したそうだ。こんな日にオフィスに閉じこもって仕事をしていたので、その分、夜更かしして遊んでいる。遊びの方が充実しているとき、仕事も順調に行く。迷いがないから集中できるし、息抜きはあるし、うまくいくとなんでも思い通りになりそうな気がする。すると次は、その反動がいつ来るのかと少し不安になる。停滞期はだれとも会いたくないし、話をするのも億劫になる、でも仕事は続けられる。不思議なことにどんなに落ち込んでも、それは私的な部分だけで、会社のわたしは機能している。いうなれば仕事もひとつの逃げ道になるのだ。ハードロックやプログレを聴いていると、逃げているのが馬鹿らしくなって、またやり直そうという気になる。その間に友だちや、Webの世界があって、ささいなことで感激している。

■1998.10.1

アドビのPageMill3.0Jの体験版が出たのでさっそく使ってみる。一部はまだ英語だが使い方は同じらしい。いままでJISで書いていたソースが読めなかったのが、読めるようになった。すごい進歩だ。ついでに気になっていたところを直してみる。テーブルの大きさが自由に変えられて嬉しい。来週はPhotoshopのセミナがある。デジタル・パブリッシング時代にふさわしい教養は、HTMLを自在に操つれることだろうか。

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