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■1998.11.30

G3にアプリケーションを入れて、さっそく使いはじめた。隣の席に6100を渡し、こちらも調整する。こうやって引き取り先のあるMacはいいが、もうだれも見向きもしなくなった68Kは、ちょっと可哀想だ。自分がいなくなったら、このG3はだれが使うのだろうか。それにしても、三年というのはWeb上では、何年に相当するのだろうか。今日で十一月もおしまい。明日からは、風もいっそう肌寒く思えてくる。先ほどまで、雷鳴が響いていたが、今は雨が降っているようだ。


■1998.11.29

一日どこにも出かけず、本を読んだり、手紙を書いたりして過ごす。来週からは十二月だと思いながら、だらだらしていた。John Lennonのanthologyを聴く。なんとなくニューヨークを思い出してしまった。日中は曇ったり晴れたりしていたが、暖かな一日だった。猫を見つけて、猫可愛がりする。ちょっと迷惑だったかしら。猫をひざに乗せて雑誌を読んでいると、こういう老後もいいとまじめに考えてしまう。


■1998.11.28

知人の結婚式と中学校の同窓会が同じ日にあって、両方に出席する。横浜山手教会で賛美歌を歌い、神と精霊の名のものに結婚の祝福に立ち会い、そのあと中華料理で披露宴。そこから電車に揺られて、タクシーを飛ばして幕張メッセのホテルに着く。一次会に滑り込んで知人を捜し挨拶する。記念撮影にもなんとか間に合った。ほとんど30年ぶりにあう人ばかりで、面影をさがしてたがいに名乗りあう。それから二次会がはじまった。こちらの頭はなにも受け付けないのに、どんどん知り合いがやってきて、乾杯となる。なんとか二時間こなして帰ってきた。 たがいの消息がつかめたので、次回また会おうということになった。明日は寝て過ごそう。


■1998.11.27

十二月大歌舞伎のチケットを取りに銀座に行く。歳の暮れの慌ただしい時期に、しばし現実を忘れ、芝居見物をするのが楽しみ。今回は桟敷き席が取れたのでゆるりと見物しよう。江戸時代の歌舞伎は朝六時から夜五時まで日のあるうちは興行していたらしい。ここで通し狂言をみたらたっぷりと味わえる。昔のひとがうらやましく思えるのはこんなときだ。江戸に生まれていたら、大奥で中臈くらいにはなっていただろうか。


■1998.11.26

夏休みにお世話になった方とお食事した。ふたりとも仲良しなので、ほんとうに話が尽きない。年令差はあるのだが、趣味や考え方が似ていて、うなづくことばかりだ。なかなか気持ちよく話のできる人はいないので、再会できて嬉しい。次回は香港ガーデンで飲茶にしようということになった。仕事で会議が続くと自然と濃いコーヒーを飲み過ぎて、夜になっても眠くない。NHKのお料理番組で特製アップルパイの作り方をやっていたので、立ち止まって、みてしまった。今度つくってみよう。明日は週末。


■1998.11.25

わたしの席にG3がやって来た。連絡を受けて本社まで取りに行く。設置したら英語版OS 8.5が入っていました。これが外資系らしいところ。さっそく業者にお願いして日本語の8.5に入れ直す。そこで一日がおしまい。他にもMacの手配やら、忙しかった。速いかどうか、まだ性能も確かめていないがとにかく嬉しい。


■1998.11.24

久しぶりに会社に行き、たまったメイルを読む。いちにちあちこちの書類をチェックして過ぎてしまった。休み明けの翌日はこんなものだと思うが、会議が2つあったりして、落ち着かない。夜も九時に疲れて眠る。今週はみじかいのが助かるが、本を読む時間がとれるか心配。週末には結婚式と同窓会がダブルであるので、元気が続くよう早寝をしよう。


■1998.11.23

手芸コーナーで端切れを見つけて、クッションカバーを作る。ひとつ作ったら、帰る時間が来てしまったので、続きは次回のお楽しみ。今日は晴れてあ暖かだった。海岸に出て、風の中を吹き飛ばされそうになって歩く。海の色はあざやかな青で、もうすぐ十二月が来ることを忘れてしまう。ロールキャベツにカツ丼、カキフライにゴマ豆腐、中華クラゲを食しながら、無国籍料理だとぼんやり思う。日本にいないとこんな食事はできない。新橋演舞場の話が抜群に面白くて、夢中で読んでしまった。たぶん活字、それも日本語フォントに飢えていたせいだと思うが、すごく本が読みたい。


■1998.11.22

日曜日なのに朝早くから目が醒める。アメリカからの帰りはいつも早起きになるが、これは時差のせい。今回は適当に歩き回って運動したので、時差に悩まされることはなかった。午後、久しぶりに図書館に出かけて、【アーサー王伝説の起源・C.スコット・リトルトン+リンダ・A.マルカー】、【江戸時代の歌舞伎役者・田口章子】、【新橋と演舞場の七十年・新橋演舞場】の三冊を借りて来た。これらを寝る前に読むのが楽しみ。買って来たELPを聴きながら、昔の日々を思い出していた。70年代のロンドンの風景がだぶる。夜は館山でキムチ鍋を食す。寒いときには鍋がおいしい。


■1998.11.21

日本に無事帰って来た。成田から40分くらいで帰れる自宅が嬉しい。荷物を広げ、クリーニング店から戻ってきた衣類などもまとめて片付ける。明日、少し続きの整理整頓をしよう。お茶漬けがおいしかった。まだ買って来たレコードも聴いていない。旅は前後に楽しみがある。出かける前の準備と帰って来てから日常生活で、少しづつ買って来たものを開いて、思い出すのだ。


■1998.11.20

6:35に集合して、飛行機に乗る。ロサンゼルス乗換えであとは、成田に着くだけ。欲しいものはだいたい見つかったし、食事もあちこち出かけて楽しんだ。パック旅行だったが、行帰り以外は拘束されないので、快適だった。昨日出かけたEast Tropiccanaでは、初めて黄色のスクールバスを何台も見かけたが近くに学校があった。このあたりは普通のアメリカの住居地で、居心地のよさそうな環境である。スーパーマーケットにはスロットマシンがなかったし、ここに住んでギャンブルの町に通勤するのだろうと思った。


■1998.11.19

朝、わざわざ車にのって、隣のホテル、ベラッジオまで朝食を食べにでかける。ここは10/15にオープンしたばかりの超豪華ホテルで、ピカソ、ゴッホなどの本物の絵画を収録した美術館が売り物。ラスベガス初のエルメスも入っている。菊の花が一面に飾られた庭園を見ながらの食事は、いつも人気があって、行列しているが朝は楽に入れる。午後、ようやくSand Expo会場に出かけた。ここはソフトウエアばかり集まっていて、他には小さなメーカが、家族的に出展している。


■1998.11.18

ホテルの火災用警報が鳴って、ドアを開けて何事かと思うとなんでもなかった。朝の七時にみんな飛び起こされたのである。すると、COMDEXの会場でもパネル中に同じ警報がなった。だれかが過って警報ボタンを押したと説明していたが、慌てて会場を去る人もいてセミナを台無しにするには、威力があると思った。警報は音だけでなく、光でも知らせるので、ハンディキャップの人たちにもすぐに分かるようになっている。会場を歩くのは、毎日新しい発見があって、疲れるがとても楽しい。


■1998.11.17

ホテルの中庭にフラミンゴとペンギンがいて、毎朝、ペンギンの餌付けは大騒ぎ。係りのおねえさんがやってくるのを首を長くして待っている。それから、一匹づつ小アジを貰っているのだが、中にはすねて並ばないもののいて、おもしろい。見ていたら、我が家の猫たちを思い出してしまった。ペンギンは立ったまま眠るので、遠目には、一晩中夜更かししているようにも見える。


■1998.11.16

COMDEXが始まった。町は、全米、全世界から来た20万人で埋まっている。どこに行くのも行列。朝食のために二十分も待つのは大変だ。会場に着いたら、例年より控え目の混雑にほっとする。一日中歩き回って、くたくたになって、夜は中華街に出かけた。本格的な中華がラスベガスで食べられて感激する。量の多いのもアメリカ的だ。ここのマーケットで新鮮な果物、水を暢達する。


■1998.11.15

ネバタとカリフォルニアの州境にできたファッション・アウトレットに出かけた。砂漠の一本道を40分くらいひたすら走ると到着する。今年の7月にオープンしたばかりで、普通のモールのようにきれいだ。DKNY, CK, Poloなど知っているブランドがあると嬉しくなる。音楽CDもいくつか購入した。帰りにCOMDEX会場によって、バッジホルダーを貰ってくる。その夜のB Gatesの基調講演はすでに長蛇の列なので諦めて、紅花で食事して帰ってきた。


■1998.11.14

午前八時、ロサンゼルス空港にいる。ラスベガスへの乗り継ぎまで、あと三時間ある。空港は新しくてきれいだが、レコードショップがないのが残念。時間がたっぷりあるのでVOGUE (New York)を買って、しばしファッションに浸る。PowerBook5300が無事動いてくれて嬉しい。それにしても空港の荷物検査は厳しかった。麻薬対策らしく、コンピュータを一台づつチェックしていくのだ。


■1998.11.13

初台のオペラシティの近くでセミナを受けて来た。昔とすっかり変わってしまって、迷ってしまう。オペラシティで、オペラを見るのはすてきだと思うが、交通の便を考えるとやっぱり銀座がすき。銀座には歩道橋がないから、いくらでも歩ける。明日から、旅行にでます。もどりは11/21予定。


■1998.11.12

木曜日まで来ると、一週間がほぼ終わったような気がする。明日の午後、セミナがあるので、大切なことは今日までに、ほぼ終わらせてしまった。週末に慌てて荷物をつめて出発。いつもながら、もう少し手際よくできないものかと思う。借りて来た本も全部読んでいないし、向こうがどんな気候なのかもまだ調べていない。今回はツアーなので油断しているところもある。遊びに行くのだから、細かいことにはこだわらず、自然体で過ごそう。


■1998.11.11

本を開いたとき、はじめの数ページでこれはすごい、と思うことがある。たいていは途中でやや期待を裏切られるだが、最後までわくわくするような本も稀にある。【定本尾崎翠全集・筑摩書房】を読みながら、これ詩集だ、とがっかりした思いがだんだん変わって、旧仮名遣いさえ、懐かしく思われて来た。山陰の田舎の町にすむ旧制女学校の生徒の姿が彷佛され、海辺の町の描写が、自分の書く日記と似ている。浮遊感覚と、透明な感性が特長だったと言われているが、そんな小説を書きたいと思った。


■1998.11.10

知人からいわれて初めて知ったが、70年代ロックでここに登録されていた。70年代ロックの友だちはもっといるので、みんなで登録しよう。音楽を聴くというのは、装置に凝るわけでもないが、聴きたい気分が大切。疲れ過ぎていても、元気すぎてもピンと来ない。適当に余裕があって、孤独を楽しんでいるようなときは、よい友だちになってくれる。


■1998.11.9

今日もいい天気だった。昼間、外にでると嬉しくなる。夜になって風が出てきたようだ。窓をガタゴトさせて風が通り過ぎて行く。今朝、少し遅れて出かけたので、NHK FMの【おしゃべりクラシック(略しておしゃクラ)】を聴いていた。その中で、初めて聞く音楽に出会ったので、じっと耳を傾けていると、最後にロドリーゴ、演奏はロンドン・フィルハーモニーと言っていた。ロックもそうだが、古典派が好き。時代の流れにも色褪せずに新鮮な発見がある。ときおり、現代音楽を聴くと、プログレと間違えてしまう。


■1998.11.8

海辺の町で寝過ごして目覚めると、暖かな太陽が差し込んでいた。近所に住む恩師を訪ね、野菜を貰ってくる。取り立ての蕪や小松菜はいきいきとしていた。こういうものを食していると、健康にいいのだ。朝からプレーンオムレツにホタテのバター焼きを食べ、贅沢する。こういう食材が何気なく買えるのも海の町だからこそ。取立ての卵は黄身が光っている。海をみたくて、いつもの海岸に出かけたら、コンクリートで階段ができていた。まだ工事中の看板が立っているが、海岸を取り囲むような形でコンクリートの道が繋がっている。砂に埋もれて歩かなくていいから、ちょっとした散歩や座って食事もできる。ここで海をみながら、昼ご飯もいいなあと思った。昔の何もない海岸も好きだったが、こうやって気軽に立ちよれる場所ができたのは嬉しい。また、晴れた日には出かけてみよう。


■1998.11.7

曇った空と赤い柿の実のコントラストを楽しんでいる。肌寒いが刺すような寒さとは違う。11月の晩秋らしい一日。ひとが恋しくなり、失った友情や迷い猫のことを考えてしまう。図書館に行って新刊本を三冊借りてくる。11月から3册まで貸し出すことになったらしい。二週間で読み切るためには、友を失っても仕方がないか。寝る前にさっそく一冊読み切る。【武林傳・呉金明】14世紀後半の明草創期の江南地方を舞台にした武勇者の話だが、お酒で有名な紹興が舞台になっている。ここは書家の王義之や作家の魯迅の故郷でもあり、豊かな町だったらしい。


■1998.11.6

金曜日なので久しぶりにTVを見る。CMの間にあちこちのBBSにお邪魔して、番組が始まったのに気付かない。この頃はWebを見ながら、待ち時間に随筆を読んでいる。【串田孫一集・向こう側の天】図書館から借りた本が期日までに読めないので、電車の中で読んだり苦労していたが、Webと案外共存することを発見。たぶん短編だから、それで完結するのでわかりやすいのだろう。うまい文章に出会うと、自分までが偉くなったような気がして嬉しい。道ばたで五百円玉を見つけたような気分。


■1998.11.5

有楽町にある東京国際フォーラムまで、21世紀の創造型経営シンポジウムに出かけた。たまには外の風にあたらないと、創造的なアイデアが浮かんでこない。ネットワークと情報社会を中心に、マーケットの仕組みが変わっていることを論理的に解説されて、思い当たることがたくさんあった。ネットを通じて、さまざまなアイデアが統合され、付加価値が付けられて行くのを実例と共に理解する。1つ1つでは目立たないことも、数がそろうと力がでる。何かを調べたいとき、その言葉+不満で検索すると、驚くべき検索結果がでると言われて、さっそく試してみた。


■1998.11.4

Webで本が読めるページを発見。最初にMacWinでエキスパンドブック版をインストールするだけで、本の形式になった物語を楽しく読むことができる。ここにはそらもようという校正日記のページがあって、町の印刷屋さんの匂いがする。FlashもRealPlayerもないけれど、こういう読み物に限定したページは好きだ。著作権の消滅した作品を順次紹介しているセンスが光る。源氏物語はまだテキスト版だけだが、これも標準小売価格3,500円のボイジャーが発売する『T-Time』を買えば本形式になるらしい。今なら特別キャンペーン中で電子出版の可能性を追求することができる。


■1998.11.3

晴れた一日、お江戸まで歌舞伎見物にいく。今日が初日だったせいか、まだ台詞が入っていなかったり、きごちない点もあったが、先代萩はよかった。幕あいのひととき、隣のテーブルにいた外人さんたちが、お弁当の寿司を食べているのにちょっと驚く。わたしたちが、ウィーンのオペラ座にいるのもあのくらい不思議にみえるのだろうか。日本人でもなかなか行かない歌舞伎を西洋人はどう理解しているのか、聞きたい気がする。あと二か月で今年もおしまい。師走にもう一つ歌舞伎の出し物をみると、お正月だ。


■1998.11.2

今日は嬉しいことが二つある。ひとつはこの間から秘密のうちに進められてきたReview Siteの正式オープンと、もう一つは、夏から書き始めて、ほうったままになっていた藤中将ものがたりがなんとか完成したこと。どちらも同じときに併せて完結させたかったので、ぎりぎり間に合ってよかった。Webを覗いて歩くのが楽しくて小説が書けないと思っていたが、要は集中力だけ。ふだんはぶらぶらしていて、締切りの前日に頑張るのは結構慣れている。明日は国立劇場の歌舞伎見物なので、夜更かしは大敵だ。


■1998.11.1

江戸東京博物館で開催されていた江戸東京自由大学の閉校講座に出席する。講師は、芳賀徹、杉浦日向子、小木新造各氏。約二時間半にわたり【江戸の粋、パリのエスプリ】を題材に浮世絵の鈴木春信から、竹下夢二、坂東玉三郎まで江戸の粋を伝承する話が続いた。上方の粋(sui)に対して、江戸の粋(iki) は天性持って生まれたもので、学習や経済力によって獲得できない。粋の反対語は野暮。粋でない人が学問すると、野暮か気障(kiza)になるらしい。粋な江戸っ子といえばご存じ、花川戸の助六である。助六といえば、團十郎扮するいなせな男がすっと浮かんでくるが、六助は奉公にでた小作人の次男が想像される。一字違えば大違い、粋と野暮は紙一つの場合もあるのだ。


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