■2000.3.31
飛行機の座席はマイレージメンバだったせいか、三人がけに二人で帰って来た。ワカメの味噌汁、一夜干しカレイ、切り干し大根の和食を食べる。まだ休みが二日もあるのが嬉しい。お風呂に入り、わが家がいちばんだと思う。ハワイのコーヒーを入れて、ナッツを食べる。飛行機が取れなかったとはいえ、三泊五日のハワイはかなり疲れる。夜、すぐに眠ってしまった。
■2000.3.30
ビショップ・ミュージアムに出かけて、プラネタリウムを見た。北極星がずっと低い位
置にある。昔、まだ航海術も、コンパスも羅針盤もなかったとき、簡単な木の船でハワイからタヒチまで移住したという。そのときは北極星や南十字星を頼りに位
置関係を掴んでいたらしい。夜ベランダから外を見ると木星と土星が見えた。明日は帰る日なので荷物を作る。今回は買い物をほとんどしなかったので楽々と入る。
■2000.3.29
ワイレアまでH1 west を進み、巨大なアウトレットで買い物をする。お昼はバーニーズ・ニューヨークのお姉さんお薦めの韓国レストランでユッケジャンを食べる。量
が多くて野菜がおいしい。 B級グルメというところだ。帰りにパールハーバーに立ち寄り、アリゾナ記念館を訪れる。映画を見て、船に揺られて一時間くらいの旅だった。また、サハラモールまで出かけて、キングサーモンのバター焼きを作る。マッシュルームスライスがおいしい。ハーゲンダッツを二種類食べ較べる。夕食後、八時頃からワードセンターにある本屋に出かけた。ここは夜十一時まで営業している。外国の本屋はバーゲンコーナーがあったりして、なかなか楽しい。この日はよく歩いたのでぐっすりと眠った。
■2000.3.28
Egg's thing で簡単な昼食を取って、カハラモールに出かけた。こちらは地元の方ご愛用のモールでシナボンもある。スターマーケットで食材を選んで、ご飯を炊き、一日目の夜から日本食で過ごす。気温27度、湿気のない夏だ。時差のせいかよく眠れず何度も目を覚ます。
朝、六時過ぎてもまだ暗い。ワイキキビーチを散歩する。まるで館山の北条海岸のようだ。
■2000.3.27
マイレージを使って家族と海外旅行に出かける。行き先はHawaii、4年ぶりだ。今回はPowerBook5300を持って出かける。ガイドブックは買ったが、Webの最新情報を知りたいからインターネットに接続するつもり。仕事でなく海外に行くときは気分が違う。新しい空港はきれいになって、よくある海外の空港になっていた。六時間半飛行して、着くと同日の朝というのはやはり変な気分。空港からレンタカーでホテルに向かう。十時半にチェックインする。
■2000.3.26
旅行のしたくに追われる。冬物の衣類を集め、かわりに春物を出した。洋服の詰め替えをしていると引越のことを思い出す。物が多いと在庫がわからず必要なものが必要なときに取りだせない。だから、手頃なものをまた買ってしまう。最近は少し賢くなって、引き出しに入る分しか買わないことにしているが、それでもまだまだ物が溢れている。ELP
と ZEP を聴きながら、一日過ごした。
■2000.3.25
今日から3/31まで春休み。食材を買いに出かけ、冷蔵庫に詰め込む。 YESSONGSを聴きながら、スパゲティを茹でる愉しさを実感。家にいるだけで休暇気分になる。午後はゆっくりと家計の点検をする。館山を閉めて、その分を新しいMacに注ぎ込もうと決めた。家がいちばん居心地のよい場所になって、どこにも出かけたくない。二匹の猫を代わる代わるなぜて、遊んでやる。ZEPPELIN
を聴きながら物語を書く。
■2000.3.24
明け方、激しい雨が降っていた。熱帯性低気圧のため、外は生暖かい。こうやって一雨ごとに春になっていく。24日の金曜日は得した気持ちになるから不思議だ。週末のゆったりとした気分の中で、仕事を終える。明日からは春休み。品川駅でポンパドールのバゲットと鎌倉カスタードを求めた。帰ったら、昔、応募したシモンズのピローとリネンウォーター1L
が届いていた。asahi.comにbangs訪問記が掲載される。嬉しいことが続く。
■2000.3.23
まだまだ寒い日が続く。春の装いもなしに冬着を着ているので、季節の変わり目が感じられない。四季のある日本に暮らしているのだから、万葉人のように少しだけ季節を先取りして暮らしたいと思う。バスを待ちながら、東洋経済を読み、電車の中ではエミール・ゾラを読んで過ごす。頭の中に本当にやりたいことがぼんやりと浮かんでいる。仕事は好きだがすべてではない。人生の半分くらいを過ぎて、その先の自分を考えるときでもある。こんな夜はZEPPELIN
CODA が妙に似合う。
■2000.3.22
午前中に集中して仕事をする。複雑な工程なので、途中で声を掛けられるとやり直しだ。Webの仕事は京都の友禅染め職人に似ている。デザインがあって、ひとつひとつの工程を積み重ねていき、完成品を作り上げる。華やかに見えて、体力のいる仕事だ。毎日、早く来て、早く帰る生活をしているので、ストレスが違う。東京で快適に暮らすには、人混みを避けるに限る。
■2000.3.21
短かった連休の後は、どこも渋滞ばかり。朝晩寒いせいか、コートが手放せない。ZEPのCODAを聴きながら、部屋の掃除をする。来週から遊びに行くので、朝早くから仕事を始めているが、枝葉に捕われ、なかなか先に進めない。一四半期ごとに成果
をまとめ、魅力的な製品を次々と紹介して、投資家向けに説明会を開くというCEOも大変だが、こちらにも煩雑な手続きがあるのだ。打ち合わせをひとつして、おたがいに同じような困難を抱えていることが分かった。すると少し気分も修まる。夜、久しぶりに焼きりんごを作ったら好評だった。上等なブランディを一匙垂らすのがよい。
■2000.3.20
昨夜、激しい雨が降っていたが、目が醒めると眩しいような朝だ。家族で千葉寺まで墓参にでかける。風は冷たいが日射しは暖かで気持ちがいい。YESの三枚組を広げてレコード鑑賞を始めたが、他にも聴きたいレコードがたくさん出てきて困った。ELPのLPからMDに編集したものをいくつか聴いてみたが、CDよりも音の広がりがあるような気がする。昔に較べて、LPレコードが聴けるようになったのが嬉しい。長い休みはここに籠って音楽の日々を過ごすのだろうか。
■2000.3.19
おだやかで暖かな一日だった。食料を調達に出かけ、ピンク色のカーネーションが気に入って買ってくる。黄色のラッパ水仙と並べて飾ると、なにもなに部屋が華やいで見える。花も絵と同様、生活に色どりを与えてくれるものだから欠かせない。家具を置かないから、のびのびしたこの家が気に入って、もう何年も週末は館山という生活をしてきた。疲れた身体を癒してくれる場所として機能していた。だが、音楽が聴けること、個の時間が持てることでは、新しい家が勝っている。夏になる前に引き払うことにしたので、あと二ヶ月でここともお別
れだ。昔だったら、二泊三日で館山にいたのに、休みの一日は千葉で過ごしたいと思うようになった。居心地のよい自分の家に戻ってきたら、猫たちも気持ち良さそうにしていた。
■2000.3.18
お彼岸なので、早起きして墓参に出かける。咲きかけたフリージアとポピーを飾ると異国風だが、ハイカラ趣味の祖母にはぴったりだろう。八街で殼落花生を買って帰る。殼を割ながら食べる落花生は格別
おいしい。ELPを中音響で聴きながら、洗濯を干す。暖かくて静かで幸福な休日。図書館に行き、【製作・Emile
Zola】、【Little, Big John Crowy】 を借りてきた。夕方、館山にでかける。
■2000.3.17
研修で一日明け暮れる。同じチームに懐かしいメンバが揃っていて、久しぶりにしんみりと話しができた。会社に友だちがいて、なにかと本音で話せるのはよいことだ。製造業で利益を出すことが、いかに大切かということがよくわかる。丸谷 才一によれば、源氏物語の重層構造を理解することが、鑑賞につながるという。つまり、源氏というのは当時のわずか100人足らずの上級貴族のために書かれたもので、教養あふれた彼らが、注釈なしで理解できたでいくつかの内輪のネタが散りばめられているのだ。男と女の中、政治的な策略、そして古今集など、分かっていたからこそ、さらりと書いた一文におもわず苦笑し、納得したに違いない。そういう小説が書けた紫式部がうらやましい。夜、くしゃみばかり出るので、早寝する。
■2000.3.16
木曜日はなんとなく嬉しい。今日も早く出かけた。雨が降る前に電車に乗ったので、得した気分。丸谷 才一の【源氏そして新古今】を読む。ミーティングがひとつあって、人生相談的な結論を導いた。ほんのわずかなことが連鎖反応的に次々と起こって、人の運命を決めているのだとしたら、それはやはり天命というべきなのか。難しいことは考えずに、こんな日はELPを聴きながら、猫を愛でる。
■2000.3.15
品川から乗った電車が新橋で止まって、津田沼駅で人身事故がありましたというアナウンスがあった。東京駅でとりあえず千葉行きに乗り換えて、運転開始を待つ。快速電車は各駅ごとに数珠つなぎになって、運転見あわせをしていた。読む本があって、座っているので淡々とページをめくる。ひとつの人身事故で、都市の通
勤機能が止まってしまうのだから、人間の命は地球より重いというわけだ。帰ってきてからハーシーのミルクチョコレートを食す。館山の兎小屋を五月いっぱいで解散することに決めた。今年の冬が寒すぎた。千葉から避寒に出かけて、寒くて震えていることもままあった。こちらの生活が快適なので、当初の目的を果
たしたということだろうか。
■2000.3.14
三月だというのに朝晩はまだ寒い。寒さがもどってきたような気がする。丸谷 才一の【芝居は忠臣蔵】が面
白くて、一冊読んでしまった。今週は図書館がお休みなので、新しい本が読めない。 朝早く仕事をして、少し早く帰るという生活を始めた。ひとが大勢いる時間を避けて、活動するとストレスがない。好きな音楽を聴いて、自分の時間を少しでも作るようにしている。忙しいからと言い訳にはしたくない。
■2000.3.13
月曜日の朝は、早起きするに限る。電車は空いているし、午前中が永遠に続くかと思われるくらい長い。日頃できない仕事に集中できる。夜、東京駅でオフ会。気心の知れたひとたちと、たわいもない話をするのが愉しい。業種の異なる友だちなので、よけいにそう思う。
■2000.3.12
朝のうち雨だった。トマトをどっさり買って、熟したトマトのサラダを作る。フリージアやポピーもあって、南房総は春の盛り。観光バスに何台もすれ違う。みんなつかの間の春を楽しむため、必死だ。灰色のくすんだ海を眺めながら、鴨川経由で帰ってきた。魚料理を堪能したので、久しぶりに本格派のカレーを仕込む。ELPを聴いて一日の締めくくりとする。
■2000.3.11
土曜の朝、ホットケーキを食べておひな様をしまうことにする。七段飾りの人形は出すのもしまうのも大変。来年はもっと別
の場所を探そう。 ELP を聴きながら、部屋の掃除をしている。涙が出るくらい懐かしい曲ばかり。昨日、70年代の友だちと会っていたので余計にそう思うのかもしれない。2000年になって、ELP
が生活の一部にあるのも不思議な話だ。
■2000.3.10
田町で高校時代の友だちが集まって、楽しい時間を過ごす。インターネットの普及によって、この会も二年くらい前から急に始まった。日頃メイルで連絡を取り合っているので、久しぶりだという気がしない。70年代ロックの話をしていたら、いっしょに渋谷公会堂でYESを見たというひとが出てきた。そう言われると記憶がよみがえる。26年前の日本公演のときは、彼らの話している言葉が理解できなかった。リズムの合わない手拍子をみんなで打って感動していた。
■2000.3.9
Dreamweaver3.0 をMacとNTにインストールした。これで仕事の効率化が計れると思う。マニュアルを読む元気がないと思ったらWeb上にon-lineで載っていた。なかなか便利だ。久しぶりに家でゆっくりとしている。見たいサイトにアクセスして、手紙を書く。
■2000.3.8
朝から日比谷線の脱線事故で大騒ぎだった。ときどき利用する路線なので、なんとなく仕事が手に付かない。亡くなった方の御冥福を祈る。夜、近くのスーパーに食料品の買い出しに出かけた。外は寒い。常備食をいくつか用意して、料理に専念する。冷蔵庫・冷凍庫の在庫リストがあるので、ずいぶん楽になった。Highway
Star を聴きながら、洗濯物を干す。パリ風俗史を読んでいたら、サンジェルマン・デ・プレの景色が浮かんできた。パリは永遠の都である。
■2000.3.7
四月半ばの陽気で、コートを羽織ると汗ばむくらいだ。税務署からの帰り道、歩きながら考えた。気持ちよく仕事して、病気にもかからず元気で暮らしているのは、幸せなことだろう。多少、雑音が入っても大勢に影響がない限り、悩むことはやめている。Jリーグのチケットをいただいて、ちょっとわくわくした気分。いまから楽しみにしている。もう少し、時間があったらと考えるのは贅沢なことだろうか。ぼんやりする時間がほしい。
■2000.3.6
春休みの旅行の予約を確認した。月曜日に早起きして、会社にでかけると気持ちよく仕事が進む。帰りもいつもより少し早くて、そとはまだ明るい。ポンパドールでバゲットを買い、電車に飛び乗る。今読んでいる【パリ風俗史・アンドレ・ヴァルノ】が楽しい。生き生きとしたパリの暮らしを描いていて、まるでパリの地下鉄に乗っているような気分になる。1200円でタイムマシンのパリ時代旅行と思えば安い。夜、食料の買い出しにでかけ、肉じゃがを作る。夜半はまだ寒い。
■2000.3.5
午前中に買い物に出かけ、午後探偵小説【赤い右手Joel Townsley Rogers】を読んで過ごす。探していたチェコ製の手編みレースが見つかったので、額縁に入れて飾った。ZEPのポスターの下に置くと、部屋が急に格調高くなる。曇り空の下、八重の梅がぼんやりと明るい。日曜日なので、猫にもチーズケーキのお裾分けをする。青い鳥のケーキがいまのところのお気に入り。家でのんびりと過ごす休日は、とても貴重だ。料理も気分転換のひとつなので、お赤飯を炊き、タコとキュウリのサラダを作る。今週はパープルを聴いている。週代わりのメニューのようにひとつのアーティストを極めるまで続くらしい。
■2000.3.4
土曜日の朝、七時からMachine
Head を中音響で聴いている。70年代のロックというのは黄金の時だっただけに、聴いていて気持ちがいい。封建時代の江戸庶民や武士たちが、芝居の中のお家騒動で憂さを晴らしていたのに似ている。楽しい生活をするためには、煩雑な家事があるが、週末にハードロックを聴きながら一気に片付けると爽快だ。午前中、木更津の先にある高倉農協と君津農協で野菜、花を購入。夕方から大宮までオフ会に出かける。本日の主賓がいたおかげで、音楽修行をつくり、YESの日本公演に出かけることができた。不思議な縁のある人だ。
■2000.3.3
暖かく春うららな一日だった。 おひな様にお菓子を飾って春の気分に浸る。税務署、銀行とあちこち回って、住宅借入金等特別控除の手続きをする。これで完了というわけではないが、めどはついた。引き出しの整理をして、一年前に引越しから、中断していたことを少しづつ復元し、ようやく、元にもどった。探せば、ほしいものが見つかるという状態である。銀行残高や、これからの収支などつかんで、G4
を買いたいと思っている。欲しいものはこれといってないが、時間を節約するために、速いコンピュータは必要だ。ちょうど料理のしたくに時間がかかる人が、食器洗い機を買うように、当然なことだと信じている。
■2000.3.2
ひとつ仕事が終わった。金曜日はオフ。こういう終わり方は清清しくて気持ちがよい。丸谷 才一批評集【芝居は忠臣蔵】を読み始めたので機嫌がよい。通勤のお供に活字を追っていると、混雑したようすも気づかずに駅についてしまう。毎日が非日常になるようにあちこちで努力しているが、それが実ることもある。毎日、違う人と会ってたら、どきどきするようなことが起きるだろうか。人付き合いは昔から苦手だ。いつも少しだけ先に歩き始めて、相手が追い付かぬ間にすべてが終わってしまう。
■2000.3.1
早起きして始発の快速に乗る。いつもと乗っている人が違う。社会を支える人たちが多い。座れる山手線に乗って、七時台から仕事を始めると午前中が充実している。自分を冷静に考える時間が必要だと思った。できないことを抱えて、一歩も前に進めないように思っていたのが、始めてしまえば、謙虚になればうまくいく。苛々した心をなぐさめるように、子守唄代わりに今日も、R.
Stewart を聴いている。『直立せよ一行の詩』三十首、佐佐木幸綱。わたしが万葉の歌が好きなのは、原形としての詩がそこに存在したから、千年を超えても心をうたれる真実がある。余分な飾りはないが、それゆえ、平安貴族の教養がなくても素直に理解できるのだ。
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