表紙にもどる since1997.11.15
■2000.8.31
品川駅に着いたら雨が降り出したところだった。傘を差さずに会社に飛び込んで、ブラインドを上げると激しい雨になっていた。新しいコーヒーパックを開け、ゆっくりとお湯を注ぐ。この香りで目が覚めるといった人がいた。普段は紅茶派なのだが、仕事のときは緊張が欲しくてブラックでいただくことが多い。今日までという締切りの仕事を次々と仕上げ、あちこちにメイルを送る。昨日アメリカに出した手紙に返事が届いて、向こうの状況が把握できた。明日から三連休なので一段と力が入る。ミーティングをして、仕事計画を練り直し、ついでに休暇の予定も入れておく。
■2000.8.30
あと二日で八月も終わる。今月中に完成しなければいけない仕事をなんとか終えて、ほっとしている。あちこちに散らばっている情報を集め、ひとつの規則性をもたせた形に編集するのは経験よりも集中力が必要。気晴らしにZEPを聴きながら、オンオフの切り替えを上手にさばく。今日はバナナケーキを焼いた。忙しいといっても家で過ごす時間は、趣味のことに費やす。ニューヨークの証券取引などに関心をもち、英語の勉強も兼ねて株価の推移を見守るのも楽しい。
■2000.8.29
いつもより一本早いバスに乗り、家路を急ぐ。どうしても図書館に行きたいと思った。おかげで信じられないくらい空いている列車に乗って、千葉に着く。
【定本 佐藤春夫全集第15巻・臨川書店】、【抱擁I A.S.
BYATT】、【抱擁II A.S. BYATT】、通勤のお供に本が要る。音楽は個人的なことだから、自室に籠って聴くのが好き。だれかと時間を分け合って共に聴くというのも苦手だ。締切りのある仕事を抱えて、現実逃避の一歩手前でかろうじて留まっているような気がする。白玉
を作ったら思いのほか好評だった。
■2000.8.28
新橋ヤクルトホールの試写
会に出かけた。開演前にインタビューと監督自らの挨拶があったりして凝っている。だれでも泣くといわれて、でも泣かなかった。映画は生活のスパイス、かけ過ぎてもくどいし、何もないと物足りない。芝居やオペラはもう少し違う。生だけに真剣勝負なのだ。それが好きな人には、退屈な毎日もなんとかしのげるのだろう。わたしはドキドキするような毎日がいちばん好き。
■2000.8.27
日中はどんなに暑くても夜になれば風が心地よい。ベランダに白いプラスチックの椅子を並べて、しばし夕涼みする。ZEPのフィジカルグラフティをくり返し聴きながら、部屋の掃除をし、汗をたっぷりかき、そのまま風呂場に直行した。明るいうちにお風呂に入るのが休日の定番になってしまったが、泡風呂は気持ちがいい。いつもは時間に追われるように暮らしているのに、週末は六時から夕飯を食べ、八時からは自分の時間を持てる。昔はどうして暮らしていたのだろうか。
■2000.8.26
歯医者さんの帰り道、高倉、君津まで足をのばして野菜と豆腐を入手。一週間分の野菜の買い出しに気が入る。午後、一眠りして目覚めると四時すぎていた。慌てて食材を買いに出かける。今日は手作り餃子、久しぶりに満足のいく味が出せた。ふわふわの布団と太陽の匂いがするシーツに包まれてたっぷりと眠りたい。毎朝、五時すぎには猫が起こしに来るので今夜も早寝しなくては。館山が無くなった分、時間はたっぷりある。でも、心のやすらぎという点では、まだまだ及第できない。ELPの展覧会の絵をLPで聴く。唯一の問題はレコード盤を裏返しに行かなければいけないこと。音が止まると終わったのかと錯覚してしまう。
■2000.8.25
八芳園でアメリカに戻るマネージャのお別
れ会に参加する。部下が心をこめたプレゼントや感謝の気持ちがあちこちにあって、心あたたまる会だった。元の仕事仲間が駆け付けて、懐かしい顔ぶれと久しぶりに歓談する。おいしい料理を食べ、仲間と好きなだけ話しをするのが、いちばんすてきな時間の過ごし方だ。義理の付き合いが多い中、幸せな気持ちで帰路につく。友だちとたくさん話した夜はなかなか眠れなくて、昔のこと、今のことを回想して過ごす。涼しい風が心地よい。
■2000.8.24
湿度の多い夏は苦手だ。外に出るだけで消耗する。やりかけの仕事を始めたが、なかなか調子がでない。Back
upのためのデータを取っているうちに別の仕事がやってきた。帰りのバスの中でこどもを叱り続ける母親を見る。お受験の塾帰りらしく、テキストを片手にこういう問題はどうやって解くのかとヒステリックに教えているのだが、子どもが可哀想でならない。そんなに頑張って幼稚園から私立に入っても、未来は閉ざされているのだ。これが高じて殺人事件が起きないことを祈る。暑さがひとを狂わせる。帰りの電車が市川で止まった。小岩駅付近で乗客が線路を歩いていたので安全確認とのこと。こういう話があちこちで起きている。
■2000.8.23
この蒸し暑さはまるでサウナだ。雨が降ることを願って会社から帰る。品川駅の本屋さんはかなり遊べる。電車の待ち時間をつぶすにはほどよい大きさだ。昔から本屋に行くのが趣味だったが、八重洲ブックセンターのような大きさだと疲れてしまう。青山ブックセンターは美術書がたくさんあって好きだ。五反田駅の近くある東京デザインセンターにはオシャレな本屋さんがある。仕事はひとりでしていると閉塞感に捕われるので社内を歩き回ることにした。友だちがあちこちで話を聞かせてくれる。
■2000.8.22
夏休みの最後の週らしく、家族連れが多い。この熱帯低気圧にはうんざりするが、あと二週間くらいの辛抱だろう。ポンパドールの焼き立てフランスパンを切って、肉スープに冷やしなす、おたま豆腐、とうもろこしというピクニック風の夕食を取る。一日何をしていたのだろうか。朝出した書類をそのまま手付かずに戻した。アイデアを出してまとめることと、じっくりと奥深く極めることは両立しない。《なぜ、そもそも有るものがあって、むしろ無ではないのか》。俗世間に暮らしているのだが、突然、そこを逃げ出して隠れ住みたくなる。長距離列車の終点まで乗っていったら、なにが待っているだろうか、などなど。
■2000.8.21
assertiveness自己表現のセミナを受ける。相手に対して、肯定的または否定的意見を述べ、境界線を引き自分の正直な気持ちを伝える。当たり前のようでなかなか難しい。国民性もあるのかもしれないが、日本人にとって何もいわなくとも分かってくれる相手というのが最高なのだ。それに対して異文化異民族の社会では信頼を勝ち取るために、さまざまなアプローチが必要だ。
ロールプレイもあって、新しい発見がいくつもあった。また、自分の置かれている環境が恵まれていることを実感する。
■2000.8.20
鰻を求めて館山まで出かける。千倉に養殖所があって、そこで直販もしてくれるのだ。朝、海に出かける家族連れを横目に過ごし、野菜直売所をはしごする。館山の北条海岸のあたりにはまだ海水浴客が大勢いた。海が光りを反射して青く輝いている。この景色を見たいから海辺の町に暮らしたのだ。戻らない幾つかの夏の日を懐かしむ。夕方、ZEPをかけながら掃除をして、汗をかく。明るい時間に入るお風呂は格別
。明日は台湾に帰る甥たちのために、夕食に鰻定食と刺身の盛り合わせを出すと感激された。海の幸を満喫して週末が終わる。
■2000.8.19
朝は七時前に目が覚めてしまう。ZEPをかけながら洗濯をして、布団を干し、図書館に行く。【ハイディガー全集 形而上学入門・創文社】、【ハイディガー全集 ニーチェの形而上学・創文社】、【マラルメ全集III・筑摩書房】、【ローマ散歩I・スタンダール・新評論】
なぜかこんな本ばかり借りてきた。読書は快楽の一つなので、そのときの気分を大切にしたい。バングラディシュのコンサートを見ながら、音と映像があるというのは素敵だと思う。30年という年月が思いもしなかった幸福を運んでくれる。
■2000.8.18
朝晩が涼しい。一週間仕事して、よい週末をと挨拶して帰る。家には台湾から来た弟の家族が揃っていた。甥たちは一年ぶりなのでずいぶん成長している。家の中を案内して、久しぶりに妹達と話をして、金曜日の夜はすぐに終わってしまう。去年の今頃はまだ仮住まいしていたかと思うと懐かしい。バナナケーキを何気なく焼いて眠る。涼しい夜だ。
■2000.8.17
館山の家を引き払ってから、休日が都会へとシフトしている。今年はいつになく、渋谷や銀座で過ごす週末が多い。美容院も昔通
っていたところに変えてみた。同じことの繰り返しをじっと我慢するということができない。通
勤のお供にフランス文学の講議を読んでいたら、知らない作家ばかりで現代フランス文学を知るにはどこに行けばいいのかと思う。よい翻訳があればいいが、原書を読む元気はないから、英訳版を探してみようか。あと一日で週末。木曜日はちょっと遅くまで遊んでいたい。
■2000.8.16
時計を持たない暮らしをしている。たまたま昨日は忘れて、今日は止まった時計を付けてきただけだが、気分がいい。必要な時はPCの時刻を見ればたいていのことはできる。午前中、机に鍵をしまったまま、鍵がかかってしまってレスキュー隊を呼んでもらった。さすがプロは偉い。二三分で引き出しが出てきた。おかげで仕事の予定がずれて、午前中に完了すべきことが終わらなかった。こんな日もあると、机の引き出しを片付けていたら、何かあったのですかとみなに尋ねられる。時期が時期だけに身辺整理と思われたか。
帰ってから本を読んで過ごす。DVDはちょっとお休み。疲れたのでよく眠れるだろう。
■2000.8.15
昼過ぎから雨が降り出した。電話がないと仕事がはかどる。この時期会社にいるのは、都会の子が多い。東京の適性人口がこのくらいだと嬉しいなどといいながら、ちょっぴり休日気分を楽しむ。帰ってきて【バングラディシュのコンサート】を見る。昔は気付かなかったが、ジョージ・ハリソンは気配りの人だった。懐かしい曲と若々しいアーティストたちに70年代を思う。30年たって茶の間で気軽にDVDが楽しめるなんて思いもしなかった。あの頃はビデオデッキが高嶺の花だった時代である。
■2000.8.14
涼しい朝だった。日中は暑くなって夏の日が始まる。人も車も少なくなった都心は快適だ。京浜東北線に座って、品川から秋葉原に向かう。Macのアウトレットをのぞくつもりが、DVD+LD+CDプレイヤを買ってしまった。これでワイト島のコンサートがようやく見られる。月曜日なのに家族でわいわいと、騒ぎながらDVD鑑賞をする。ついでにお蔵入りしていたLDも楽しんだ。今度のは両面
再生できるのでいちいち取り出さなくていいのが嬉しい。気分がいいのでバナナケーキを焼く。
■2000.8.13
雨のせいか信じられないくらい涼しい。明け方まで車の音がうるさかったのに、いまは静かだ。【微風の戯れ・串田 孫一
】を窓辺に向かって読み始めた。随筆というのは気分がなだらかな時でないと頭に入ってこない。お盆はいつも仕事をすることに決めているので、こんな休日は至福のときだ。隣の家からにがうりをいただいたので、調理法を調べていたら料理がしたくなった。早起きしたので時間がたっぷりある。少し午睡をして、夕方図書館で三冊本を借りてきた。【近世説美少年録・小学館】、【フランス文学講議IV・篠沢秀夫】、【フランス文学講議V・篠沢秀夫】。通
勤のお供に持って歩くつもりだ。
■2000.8.12
早起きして、家族揃ってお墓参りに出かける。高速道路が繋がったのでかなり便利になった。それでも、七時前に家を出ないと道が混んでしまう。八街でから落花生を買い、持っていった花を活けるとほっとする。台風が来ているので午後は雨だといっていたが、洗濯をしてふとんも干した。ZEPを一日聴く。夜になって、気が付かないうちに雨が降り出していた。
■2000.8.11
会社の仲間と恵比寿で打ち上げ会。その前に渋谷のビックカメラに寄りスマートメディアを購入した。渋谷がこんな色とりどりの若者の町になったのはいつからのことだろうか。都会だというのに歩いているのはリゾート風の人ばかり。人波にもまれなから、週末の東京を歩いた。この熱気が地方と大都市の違いだろうか。久しぶりに仲間と遅くまで飲んで帰る。
■2000.8.10
朝一番に銀行に出かけて、ついでに猫のえさも買いに行くといつものユニディが潰れていて驚く。昨年の引越のときはここで機材を調達して便利に使っていた。同じ店舗が近くにあるのを思い出して、立ち寄る。白いベランダ用の椅子があったので買ってきた。隣にサトー無線があるので、DVDを二枚買うが、なぜか一つは再生できない。Windowsでは見えるのにMacのG4だと絵が動かないのだ。DVDプレイヤを買えということだろうか。バナナケーキ、パンプキンケーキを焼く。お菓子づくりに専念していると、休日だという実感がする。
■2000.8.9
館山に泊まって、浅蜊の味噌汁、あじの干物、生みたて卵、黒豆納豆とたっぷり朝食をいただく。涼しいのでよく眠った。途中買い物をしながら千葉に帰る。こちらは暑い一日だ。出かけるところがあったが、疲れていたので、家で猫と遊ぶ。三時頃と八時頃に二度も落雷があった。昼間のは珍しいせいか稲妻を眺めて過ごす。雨も降ったが、それほど長くはつづかない。おかけで涼しさが戻ってきたようだ。
■2000.8.8
今日から三日間夏休みを取る。晴れたよい一日だ。work のLPをかけながらお皿を洗い、大音響を楽しむ。家人にはこれがロックがクラシックかわからないところがいい。細々とした家事がたくさんあるが、しばし忘れて館山に向かう。花火大会があるのだ。海辺の町で何気なく暮らすという週末を過ごしていたので、海がないと物足りない。泳ぐわけでもなく、眺めるのでもなく、風に当たっているだけでいいのだ。
■2000.8.7
月曜日の朝、会社に行くのが嬉しいのは次の日から夏休みだからだ。セミナの反省会や、荷物の整理をして、貯まったメイルに目を通
す。外は雨が降ったり、天気になったりと目まぐるしいが、自分の席で仕事するのがいちばん。帰りの電車は海山に出かける人で一杯だった。これもあと一週間くらいでしょう。家で夕食をとりながら、とっておきの赤ワインを封切る。夏の朝はいつも早いので、夜更かしができない。明日は館山に花火大会に行く。
■2000.8.6
家族揃って平和公園まで墓参にいく。ここは広大な墓地公園なのでお盆の前に出かけた。晴れた日はタオルケットや綿毛布を干して、お日さまの匂いを楽しむ。ZEPを聴き、午睡をして夕方から料理を始めた。新鮮な野菜はどれもおいしい。家でゆっくりと食事を楽しみ、チーズケーキも作る。最後にドイツワインを飲み干すと、すっかりいい気分になって、このまま寝てしまおうと思った。外では夏祭りの太鼓の音が聞こえる。風が少しあって、冷房なしでも大丈夫。都会の休日はこんなものかと、あらためて思う。
■2000.8.5
夏の日は早起きして、野菜の買い出しに出かけた。とうもろこしをゆでて、キュウリの浅漬けをつくり、家でゆっくりと食事する。慌ただしかった一週間の後で、何気ない日常がありがたい。図書館に行って、【1812年初版グリム童話】を借りてくるが、この初版本に出てくる王様、お妃様の残虐さに驚く。これが子ども向けというからには、厳しい現実を知らせようとしたのか。夜、千葉みなと付近で花火大会があった。三階のベランダから海の方を眺めると花火がきれいに見えた。音がしばらく遅れてくるのがおかしい。一時間以上もベランダで外を眺めていたが、花火がとりどりで楽しめた。
■2000.8.4
四日間のセミナが終わり、久しぶりに明るいうちに帰ってきた。友だちもたくさんできたし、楽しかった。達成感のある毎日だった。しばらくはゆっくりと仕事をしたい。すべてに言えることだが、段取りが分かっていると処理速度が早まる。早く答えを見つけることというのが、この仕事には必要だ。時間はそのまま締め切りになるのだから。通
勤のお供にフロイトの精神分析入門を読み始めた。自分が狂っていないのか、不安になることがある。なにが正しいのかが言えない時代ということか。
■2000.8.3
外は涼しいのに家の中に籠った熱気で眠れない。毎日、忙しく過ごして一日が終わると足が棒のようになっている。自分のオフィスでなく仕事をするのは、緊張もあるし、また住めば都的な発想ができないとだめだ。どこでも仲間を見つけ、気持ちよく過ごすこと。
独りになる時間を作って、気分を変える。人生の傍観者であり続けるはずなのに、一瞬、自分が渦中の人になっているのに驚く。あと一日で週末だ。
■2000.8.2
セミナ二日目は無事に終わり、とんぼ返りで会社に戻って明日の準備をする。プロモーションの仕事は肉体労働だとつくづく思う。人が休んでいる時に働いて、人を楽しませ、感動させるために自分の人生を費やす。本当に好きでなければ続かない。
十時台の電車は若い人たちでいっぱいだった。夏の日の恋人は、はかないのだから、最高の時間を過ごしてほしい。
■2000.8.1
品川から御殿山までバスに乗る。いよいよセミナが始まった。講師の案内係りのはずがPCの接続担当になっていた。アメリカ、イギリス、フランス、スイス、オランダと各国から来た講師たちが無事発表が終わることだけに神経を集中させる。スタッフに恵まれてなんとか初日を終えた。夜のパーティを中座して帰る。さすがに疲れていたので、電車で熟睡した。猫が待っていたので、少し遊ぶ。明日も遅いので料理を作り貯めする。
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