4/02/77 SAT
きのうで学校の一学期が終わった。ここでイースターホリデーが二週間ある。1.15PM で授業が終り、みんなで軽く食事をとったあと、近くのパブに行く。そこには、学校中の先生、クラスメートたちが来ていて、beerのジョッキを片手に、イースターをどう過ごすか、あるいは休みの間の旅行のことなど、いろいろ話している。そのうち、出発の時間が近づき、一人去り、二人去りして、みな口々に、Have a nice holiday! and you!なんていいながら、握手したり、頬にKissしたりして出ていく。わたしも知らない上級生にたくさん、頬にKissされて、戸惑いながらも、こういう習慣なんだと納得する。イースターを祝うなんて、知らなかった。開けてきょうは、マイクとラグビーに行く。せっかく2.00に待ち合わせたのに、雨天中止だった。
4/03/77 SUN
久しぶりに、晴天が二日続いた。イギリスでは晴れた日が一週間続くと、それを夏というらしい、ここの校長先生が教えてくれた。明日は学校が休みだから、いくらでも起きていようという気になる。セーターは出来上がったが、少し大きすぎた。でも、編み直すには惜しいし、そのままにしてある。今度は気分も新たに、カーディガンを編むことにした。
4/05/77 TUE
きょうは遂に靴を買いました。Ballyのを三足も。昔から、バリ−の靴に、イエガ−のセーターが理想の形です。モンブランのKing's Buleのインクを使い、WH. SMITHのノート。TVはSONY、石鹸はキャメイ。やはり人間、優雅に暮らさないとだめ。そのバリ−の靴、4-1/2のサイズだけれど、エレガントなバックレス。はくと、10cmくらいのヒールで歩きずらいが、慣れれば大丈夫。学校とShoppingのときは、気品があって大変よい。ケンシントン・ハイストリートのデパートの書籍売り場は悪くない。それにマントも£80〜120しているけれど、見るからに高級品。わたしは、13£のハーフコート、迷っていたが止めました。本当は、お金のことなんか、考えずに暮らしたいな。倹約って頭がいたくなるし、たくさん買えば後悔するし、むずかしいんだなあ、そのところが。一か月£64、32,000円はどうしてもかかるのです。
4/15/77 FRI
きょう図書館に行き、心理学の勉強でもしようと思ったら、金曜日は休館だった。しかたがないので South Kensingtonまでいってみた。Crownwell Roadをつきあたたったところに、立派な建物があるので入ると、Science Museumだった。見るべきものはたくさんあって、おもしろそうだが、私はあてもなく、さまよっていた。一人でいることの困難さ、不安、悲しみ、そういったものが、心の中を占めていて、建設的な考えなど浮かんで来る余地がない。友だちがいないし、心の対話がないから、こんなに沈んだ気分なのだろう。もう、Shoppingにも厭きた。いつでも買えると分かっているものを探すことはない。こういうときは、家にいて、好きな本など読んで、寝ているのに限るのに、部屋の掃除などあって、朝九時になると追い立てられてしまう。
4/22/77 FRI
Mike's Birthday! クラス担任のマイクの三十歳の誕生日です。じつは、われわれは密かに企んでいたことがあった。クラスのみんなが手分けして、プレゼントを用意して、誕生ケーキにろうそくを立て、教室でワインを開けて、乾杯しました。なぜそんなことができたかというと、私がちゃんとお誕生日をメモしておいたのです。ロンドンに来て、まず担任の先生のお誕生パーティを思いつくなんて、我ながらすごい。いちばんのお金持ちのサウジの子が金ベルトの時計をプレゼントして、パーティは大成功のうちに終わりました。最初から飲んでしまって、まったく授業にならない。三十になることは、また特別らしく、他の先生方もBig Thirtyといってました。マイクは喜んで、私たちを泳ぎに誘って、そのあとケンシントン・ハイストリートの途中にあるJimmy'sというワインバーに招待されました。
4/24/77 SUN
家から手紙がきて、七月になったら、弟が遊びに来ることになった。さあ、なにを持って来てもらいましょうか。1. テープレコーダ、2. 腕時計セイコーの手巻のもの、3. 真珠のネックレス、4. モンブランのキングス・ブルーのインク、4. 折り畳みかさ、5. 星占い、姓名判断、パーティの開き方、6. 煙草とお酒、7. 薬、風薬、オリーブオイル 2瓶、8. ニナリッチの香水。 要らないもの: ガイドブック、地図、カメラ、フィルム。 弟は、Gパン一本と、ジャケット、ウエスタン・シャツが、あとは買えばいいと思う。
飛行機: 24万、学校: 9万、下宿: 8万、計41万とおこずかいが20万。これで一月以上いるのだから、JALパックのツアー組むよりいい。出かける前に、英国観光庁にいって資料をもらうこと。
4/30/77 SAT
手紙を出しがてら、キングスロードを歩いた。今住んでいるところは、はずれだが番地はKing's Road515。すこぶるよい天気だ。そして、気持ちがよい。きのう知り合いになった女の子がきて、7.45からのベビーシッターはどうかという。ママがPay youというけれど、£1〜2のことでしょう。それなら、お昼抜けば済むことよ。
石鹸箱と歯磨きにこだわって、ピータージョンーズに出向き、キングスロードを三十分もかけて、優雅に歩く。どんなに安くてもWoolworthなんか入りたくない。あるいはSwan & Egderもだめ。ロンドンでは、労働階級と、それ以外の行きつけの店がはっきりと分かれている。わたしたちのような留学生は、番外だが、それでも一流と呼ばれるところは、土日が休みのことが多い。