■真由美の音楽修行
初級 1・2 |
中級 1・2・3・4 |
中級編では、マニアックなハードロック・プログレロックへの道に進むための演習があります。1970年代から課題曲を選んでみました。よりいっそうの精進を期待しています。
演習11: 偏見でもいい、偏屈と言われようとも、この偏という文字がつきまとうアーティストを探しましょう。
寡黙な作家がいるように、数枚のアルバムを残して消えてしまうアーティストもいます。でも、中級編でとりあげるのは、もっとメジャーな人たちばかり。普通のレコード店で買える曲を選んでいます。ただし、注意書きをよく読んで取り扱いに注意しましょう。
課題曲1 やはりツェッペリンから始めるのが、この演習にふわさしいでしょう。 《 LED ZEPPELIN Physical Graffiti 》・《 LED ZEPPELIN Presence 》・《 LED ZEPPELIN In Through The Out Door 》・《 LED ZEPPELIN Coda 》・《 LED ZEPPELIN Remasters 》・《 LED ZEPPELIN Box Set II 》
初級でも解説しましたが、ツェッペリンを聴くときは、大音響に限ります。ある一定の音量を確保しないとツェッペリンの音楽的意図は完全に伝わらないでしょう。個人的には IIとIIIとUntitledが大好きですが、この頃いちばん聞き込んだせいかもしれません。Black Dagを聴いて、あなたは冷静でいられますか。Immigrant Songを聴いて、情熱を無視できますか。Whole Lotta Love を聴いて、歌い出さずに沈黙できますか。最初の一曲を聴いただけでお分かりのように、彼らの曲づくりはいつも挑発的です。毎回新しい試みを仕掛けて来ます。大人になって聴くとこんなところに仕掛けがあるのだと、いくぶん分かるようになります。それはあくまでも音楽的な限界に真っ向から挑戦しているので、すがすがしい気分になれるでしょう。
課題曲2 ディープ・パープルといえば、イアン・ギランとリッチ−・ブラックモアの姿が目に浮かびます。そんなハードロック時代を十分に堪能してください。《Deep Purple in Rock》・《Fireball》・《Machine Head》・《Who Do We Think We Are》・《Burn》・《Live in Japan》
70年代たくさんのアーティストたちが来日しましたが、すばらしいコンサートの代表格がディープ・パープルでしょう。ライブ盤が気に入って、それをきっかけにIn Rockから聞き直した人たちもいます。中でも Machine Head は文句なくハードロックの神髄を捕らえています。これはもうリッチ−・ブラックモアの華麗なギターテクニックなしには完成しなかったといってもいいくらい。イアン・ギランの絶叫ももうひとつの聴きどころですから、音源は最大でお楽しみください。だたし聴き過ぎて難聴にならないように、1アルバムごとに15分の休憩が必要です。
課題曲3 70年代のプログレといえば、もうEL&Pをはずすわけにはいかない。ひとつひとつが完成度の高いアルバムですので、それなりの覚悟をしてきいてください。バイエル教則本終了者は尚可。個人的にお薦めは樽粕。キースの実力を知りたい方は Works I が必見。《Emerson, Lake & Palmer》・《Tarkus》・《Pictures At An Exhibition》・《Trilogy》・《Brain Salad Surgery》・《Welcome Back My Friends To The Show That Never Ends -- Ladies & Gentlemen 2CDs》・《Works Vol. 1》・《Works Vol. 2》・《In The Hot Seat》・《Emerson, Lake & Palmer, King Biscuit 2CDs》
グレック・レイクの声が好きでEL&Pを聴くようになったとあるBBSで書いたら、かなりの反響がありました。自分もそうだとか、死ぬ前に一度でいいからグレック・レイクになってみたいとか、また、大人になった彼の声は好きですかという問いかけもありました。このプログレ・バンドは、キースのキーボードというより、グレックの澄んだ味わいのある声でもっているのでしょうか。しかし三人でどうしてこんなに深い音がだせるのか。ジャズのような遊びの間奏、ピアノ練習曲のアレンジがあったりして、そこにグレックの歌声が被さって、ぐらっとくるのです。これが20年以上も昔につくられたなんてどうしても信じられない。しかしわたしの知っていたのはわずか4枚のアルバムです。CDになったものを集めてみるとあっというまに10枚を越えていました。
あなたへのアドバイス: 70年代のアーティストは今聞いても、色褪せていない風格があります。ここで紹介したアーティストたちから、あなたの気に入ったグループを選んで、繰り返し聞いて覚えてしまいましょう。彼らはきっと良き友だちになります。悲しいとき、嬉しいときあなたの家族のように、いっしょに感動を分け合うことがでしょう。この演習の目的はそんな友だちをできるだけ多く見つけ、仲良しになることです。友だちですから、ときには嫌いになることもあるかもしれません。それも相手をより深く知るために大切なことだと思います。
Note1: お金は計画的に余裕をもって使いましょう。レコードの買いすぎに注意しましょう。
Note2: 時間は有限です。眠る時間を削ってでも音楽に浸っていたいという方、居眠り運転には十分注意しましょう。
Note3: 家族の同意が得られないうちは、たくさんのレコードを買わないように、さもないとヘッドホーンごしの音楽鑑賞になってしまいます。
まだまだ修行は続きます。
このレッスンについての感想は mayumi@ki.nu