1974.3.3
■ペティコート・レーンで毎週日曜日に開かれる蚤の市に出かけた。

ロンドンは、日曜日デパートもお店もみんな締まっています。でも、郊外では市が立つので珍しいものと出会えます。ポートべローも有名でしたが、わたしはこのペティコート・レーンが大好きでした。この日は、ロンドンブーツ(今流行りのかかとの高いもの、スペイン製でした)、花柄のワンピース、サテンのスカート、ついでにジーンズも買って£30くらい。すごく良いお買い物をして、パッピィーな一日でした。当時いちばんオシャレなデパートは BIBA。ケンシントン・ハイストリートの坂道を下ったところにあって、全体が黒。中はアールデコ風。化粧品から、小物、洋服まであって一日いても楽しい。その前にあるBus stop(赤い建物)がわたしのもう一つのお気に入りの店。これらの情報は当時の anan から、get していました。 nonon は普通の子、anan はちょっと尖った子が読んでいたみたい。いまでは、BIBA はつぶれてしまって、ふつうのデパートに替わっています。ちょっぴり残念ですが。


1974.3.4
■ロンドンで安いもの。

スペイン産のオレンジはひと袋に8個くらい入っていて、60Pくらい (1£=100P)。あとはグリーンピースが安くて、にんじんが高いので、ミックスベジタブルはグリーンピースばっかりです。牛乳は、一リットルびんが13Pくらい。金ラベルと銀ラベルがあって、金の方が脂肪分が多いのでこってりしています。ふつう、ミルクびんを開けるとき、上澄みの3センチくらいを別に保管しておいて、コーヒーのときのミルクなどに使います。コーヒーショップなどで注意深く見ていると、きちんと取り分けているのがみられますよ。これらは毎朝、ミルクマンと呼ばれる牛乳配達のお兄さんが、玄関まで届けてくれます。もちろん、スーパーでも売っています。


1974.3.5
Timeout は旅行者のともだち。

いちばん役立つものを三つ紹介します。●London A to Z(地図ブック)。ロンドン市内はこれさえあれば、どこにでも行けます。74年には30Pで、街角のどこのショップでも手に入りました。●Timeout: ぴあのようなもので毎週でます、15Pくらい。コンサートも映画もフラットの情報もここにあって、定期講読もできます。アパートの同居人求むの四行広告が面白くて、辞書をひきながら、感心してみていました。●ロンドン・バスマップ これがなければどこにもいけない。地下鉄は高くて、乗り換えが不便でほとんど使ったことがありません。わたしはパリでも、京都でもバスが大好き。だって観光気分を満喫できるし、自然と地理感覚が身に付くではないですか。ニューヨークではさすがにちと恐かった。


1974.3.6
■Marqueeにようやくたどり着く。でもBadgerは出演せず。

ピカデリーサーカスから、地図を頼りにようやくマーキーを見つけたが、かんじんのバンドはでていない。ちょうど、Oxford Street と Shaffesbury Avenue を 横切るようなWardour Street の中程にある。このあたり、ごみごみしていて、やたら人が多いので疲れる。アイスクリームを食べようとたちよったイタリアン・レストラン。本当は、食事のみだったらしいが、二時すぎだったし、特別入れてもらった。久しぶりに本格派のコーヒーを堪能。次回は食事に来ようと決めた。マーキーとおなじWardour Streetにある。


1974.3.7
■大英博物館に行ってきました。あそこはエジプトからの戦利品の山です。

エジプトからよく、あれだけのものを運んできたというか、ミイラもある。それから手紙をみてきました。ルソーとか、ベーコンとか、モーツアルトの自筆楽譜まであるのです。それから、調子にのって、ポストタワー(当時のランドマークタワーのようなもの)に登って、ロンドンを眺望しようと思ったら、もっと景色のよくみえるまで閉鎖中。でも、今日はマーキーに行くのです。場所は、事前にチェック済み。6:30 から開いているから、ちょっと緊張していますが、さて、出かけましょう。 今日のバンドは UFO です。


1974.3.8
■88と12のバスは、トラファルガー・スクエアまでいきます。49はケンシントン・ハイストリートに直行します。

毎日、バスを乗り回しているから、ずいぶん賢くなったみたい。たいていの観光地にはバスでそのままいけます。ピカデリーサーカスか、オックスフォードサーカスかで、路線がちがいますが、キングスロードにいくバスがわからない。東京にひとりで暮らしている友だちは、いつもこんなに孤独なのだろうか。三月だというのに、ひどい冷え込みようで、革のコートを買ってしまいました。明日は田舎に招待されています。日曜日はやはりハイドパークにいって、一日つぶしたいな。


1974.3.9
■きょう待望のELPのチケット予約しました。

実は、一週間くらい前から、ひとりでなやんでいて、早く相談すればよかったのですが、ここの人たち(家主)とまるで交流がなくて、すこし恐かったのです。良い席が買えるのか、ほんとうにいけるかわかりません。でも、新聞に大きく出ていた広告をみて申し込みをしたのですから。こちらでELPがどのくらいの人気なのか、まるでわからないけれど、ウエンバリー・エンパイアプールは武道館のようなところのようです。すると帰りの予定が大幅にのびて、4月20日ごろになってしまう。買い物などで無駄遣いしたことが悔やまれます。きょうは一日雨でした。でも、こちらの雨って霧雨で、日本のようにどしゃぶりはないみたい。それだけに寒くて嫌な天気です。チェルシーの方でおもしろいレストランを見つけました。一枚の大窓からそとが見えます。なかにはクラシック音楽がながれていて、メニューはクレープ。日本でいうお好み焼きかしら。中にはさむ材料は好きに選べます。わたしは、チキンとアスパラガスのチーズ包みを注文しました。それは畳んででてきます。あとは、ケチャップや甘いたれを掛けて食べます。それからコーヒーのおいしいこと。イギリスは紅茶はどこでも飲めますが、おいしいコーヒーは貴重なのです。ひとりぐらしにもようやく慣れてだんだんここが好きになってきました。