DEEP PURPLE [MACHINE HEAD]

70年代のハードロックなら、たいていのアーティストを聴いていたが、Deep Purple には特に思い出がいくつかある。1973年6月25日、日本武道館でコンサートがあったが、わたしはこれに参加していた。その前の年の"Deep Purple in Japan" のライブ盤が、すごい迫力だったので、きっと今回も充実しているだろうと出かけてみたが、それほどでもなかった。演奏時間が短すぎたのかもしれない。この日アンコールをしなかったため暴動が起きる。観客の何人かがステージにかけ上って、警備員に取り押さえられた。そして、翌日のコンサートは、中止となってしまう。大学の友だちは6月26日のチケットを購入していたので、一日違いで日本公演を見ることができなかったと、泣いていた。暴動のとき、いたのが幸いなのか、いまもって答えはみつかっていない。ただ、それ以来、見逃せないグループになったことは確かだ。初期のパープルは、イアン・ギラン、リッチ−・ブラックモアと立て役者が揃っていた。このアルバムのHIGHWAY STAR はハードロックの神髄とでもいうべき作品で、SMOKE ON THE WATER と並んでしびれてしまう曲だ。リッチ−のギターがすべるように流れ、それにイアンの歌声がかぶさる。本物のロックはいいなあと、ため息をする間もなく、踊り出したくなるようなひととき。


DEEP PURPLE [IN ROCK]

荒削りの魅力と、スピード感あふれたこのアルバムは、最近になってまた、好きになった。気持ちが沈んだとき、この曲を聴くと、また元気がでる。パープルの魅力は、洗練された芸というよりは、生身の人間らしさだと思う。大人になっても、90年代でもやはり聴きごたえのある曲は、本物のハードロックだからだ。繰り返し聴くことで、ますます深みにはまっていくような怖さもある。