ZIGGY STARDUST

デビッド・ボウイはデビューしたときから、不思議なアーティストだった。初めて日本に来るときも、飛行機は苦手だからと、わざわざ船で横浜港に到着した。そのときのコンサートには渋谷公会堂に弟を誘って見に行った。緊張のせいか、痛々しいほど神経を使っている様子がこちら側まで伝わって来る。繊細な人だという印象を持った。ジギー・スターダストを聞き直してみると、すごく馴染みのある曲と、それほど覚えていない曲があって複雑な気持ち。LPのときは好きな曲だけ飛ばして聞くこともできなかったはずだし、よく歌詞カードを見ながら歌ったはずなのに。このコンサートの最後にボウイが片方だけに付けていたイヤリングを観客席に放ったが、わたしは幸運にもそれを見つけて、今も大切に保存している。