From: "Makoto Fujiwara  藤原  誠 <makoto at komekome.bay.prug.or.jp>
To: tcode-ml at is.s.u-tokyo.ac.jp (Tcode Mailing List)
Subject: Japanese culture ( Re: why tcode )
In-reply-to: Your message of "Thu, 28 Dec 1995 11:51:19 JST"
References: <9512280251.AA25695@camille.is.s.u-tokyo.ac.jp> 
Mime-Version: 1.0
Content-Type: text/plain; charset=ISO-2022-JP
Date: Fri, 29 Dec 1995 23:44:04 +0900
Sender: makoto

    いつもお世話になっています。
    山田先生の書かれたものとそれに対する議論を大変興味深く読ませていた
    だいています。
    さて、今さんの書かれた、

| それで、速度的なメリットがないとしたら人々に T-code(あるいは 
| TUT-code)を覚えさせる動機として何があるのだろうか？と危惧し
| ております。

   についてですが、僕はまず、かな漢字変換系を作られた方に大変敬意を表し
   たいと思います。僕も kterm には、kinput2 -canna を動かしておいて、た
   まに辞書の代りに使わせていただいています。(でもかな漢字変換系をその
   ように使うのは、作られている努力のほーんの一部でしかないのでこう言う
   考えはかえって失礼だとしたらごめんなさい。)多くの日本人が計算機上で
   日本語を気楽に入力出来るようにした、ことは大変偉大だと思います。

   ただ、藤原が、tcode を使うようになって、しかも、少なくとも自分は、他
   の方法に移ることは絶対ないだろうと考えているのは、年の所為もあります
   が :-)
   ・漢字直接入力は、日本人が二千年かかってつくり上げて来た漢字の文化を
     もっとも自然にかつ効率的に計算機に移植したものだ
   という命題が藤原の中にあるからです。
   これは簡単には、漢字(例えば二文字の熟語)を書くという作業が、
   ----------------------
   (1)どういう二文字から成っているか ?
   思い出せない時 -> (1-2)それはどういう他の熟語に使われているものと同じか
   (2)その一文字一文字はどういう部首から成っているか ?
   -----------------------
   というような段階を踏むはずだ  
   ということです。特にこの (1) の時に、どういう字がなかなか思い出せなく
   ても、その苦労は日本人が二千年の間行なって来たことと何も変りがない
   という楽しさがある訳です。そしてその学習結果は一番持運びの便利な、そ
   してエネルギー変換効率のいい、頭の中に保存しておける訳です。

| 例えば「意図した文字が必ずでる」というがあると思うのですが、
| 少なくとも前田さんの入力を見ている限りでは、そうは言えないん
| じゃないかと思うのです。

  ここの部分ですが、今さんの観察は正しいと思うのですが、
  「意図した文字が必ずでる」を言い替えさせていただくと、
  「意図した文字とかけはなれた字は出ない」
  「もし変な字が出るとしても、それは打ち手の予測一覧に必ず入っている」
  という感触かと思います。( この議論は強引に見えるかと思いますが、藤原も
  いろいろ試行錯誤して入力することが多いのに、「意図した字が必ず出る」
  と思っています。) ちょっと言葉の意味が微妙に違って来ていると思います。
  そう言えば、藤原が tcode に乗替えたきっかけは、
  ・冨堅さんが 昔の bit に書かれた、
    「かな漢字変換入力は確率的キーボードである」
    というようなことを読んで、その通りだ、これは自分の使う道具ではない
    と思ったことと、
  ・「位置」と入力したいのに「一」と出て来てしまうのは多分避けられない
    たろうと思ったことで、
  「意図した文字が必ずでる」は、
  「得られる文字は確定的であって、確率的ではない」と言い代えた方がいい
   と思います。

  他にも議論があったと思いますが、日本語入力を必要とする場合の状況がいろ
  いろあると思います。
  ・とにかく入力出来ればいい
  ・考えながら入力する
  ・人の書いた視覚的な原稿を見ながら打つ
  ・聴覚的な情報から入力する
  ・毎日三千字以上の文章を書く
  ・小学生(456年生くらい)が自分の文章を作る
  などによって最適なものは違って来ると思います。そして当然ひとりひとりの
  個性によっても違って来ると思います。
  ちょうど、自動車に手動変速と自動変速があるように。そして藤原はもちろん
  手動な訳です。
--
                       千葉市中央区長洲        藤原  誠
                        makoto at komekome.bay.prug.or.jp

